釣りの潮見表の見方|満潮・干潮・大潮と小潮、波の高さと風を2週間前から調べる方法

前の晩から道具をそろえて、まだ暗いうちに家を出て、やっと堤防に着いた。ところが海はべったりと静かで、潮がほとんど動かない。かと思えば、別の日は風が強くて波しぶきが足もとまで来て、竿を出すどころではなかった。釣りをする人なら、どちらも一度は覚えがあるのではないでしょうか。

釣りの日を選ぶとき、見ておきたいものは大きく3つあります。潮(満潮・干潮と潮回り)、波の高さ、そして風です。このうち潮は、月と太陽の動きから計算できるので、何か月も先の分まで決まっています。波と風は天気と同じで、日が近づくほど確かになっていきます。

この記事で分かることは、次の4つです。

  • 潮見表の見方(満潮・干潮・潮位・大潮や小潮)
  • 大潮と小潮で、1日の潮の動きはどれくらい違うのか(本物の潮位表で見る)
  • 「波 1メートル」の本当の意味と、うねり・周期の見かた
  • 行きたい港の潮と波と風を、2週間前から前日まで順に調べる方法

先にお伝えすると、気象庁の潮位表の全国239地点について、潮見表・潮位グラフ・波の高さ・風・日の出と日の入りを1ページにまとめた潮見表と波の高さのページを作りました。この記事では、その使い方もくわしく紹介します。



潮見表の見方 ── 満潮・干潮・潮位

海の水面は、1日にふつう2回ずつ、高くなったり低くなったりします。いちばん高くなった時が満潮、いちばん低くなった時が干潮です。満潮から次の満潮までは、およそ12時間25分。だから、満潮・干潮の時刻は毎日50分ほどずつ遅れていきます。

潮見表には、満潮と干潮の時刻と一緒に「152cm」のような数字が書いてあります。これは潮位といって、その場所の決まった高さ(潮位表基準面)から測った海面の高さです。数字が大きいほど満ちていて、小さいほど引いています。0cm を下回ることもあります。

横須賀の今日(2026年11月4日)のページを見てみましょう。

横須賀の潮見表のページ。今日の満潮・干潮・日の出と日の入り・波の予報

満潮が 0時18分(133cm)と 13時53分(152cm)、干潮が 6時54分(67cm)と 20時14分(91cm)。今の時刻(13時46分)は、ちょうど満潮へ向かって潮が上がっているところなので「上げ潮」と出ています。日の出・日の入りは、釣りでよく言う「朝まずめ・夕まずめ」の目安として、空が明るくなり始める時刻・暗くなる時刻と一緒に並べました。

数字だけでは潮の動きがつかみにくいので、グラフにもしています。

横須賀の潮位グラフ(今日から3日間)

青い点が満潮、黄色の点が干潮、赤い点線が今の時刻です。灰色の部分は夜、薄い黄色は日の出・日の入りの前後の薄明るい時間です。「朝いちばんに釣りを始めたら、干潮の底から潮が上がってくるところだな」「夕方は満潮から下げに入るな」と、釣りをする時間と潮の動きを重ねて見られます。

釣り人の間では「潮が動いている時間がよい」とよく言われます。満潮や干潮のちょうどその時刻は、潮の流れがゆるみやすい時間です。どの時間がよいかは魚や釣り場で違いますが、まずは自分が釣りをする時間に、潮が上げているのか、下げているのか、止まりかけているのかを知っておくと、作戦が立てやすくなります。

大潮・中潮・小潮 ── 潮回りで、潮の動きはこんなに違う

潮見表には「大潮」「中潮」「小潮」「長潮」「若潮」という言葉も並びます。これは潮回りといって、月の満ち欠けにあわせて約15日で1回りします。新月と満月のころが大潮で、満潮と干潮の差が大きくなります。半月のころが小潮で、差が小さくなります。小潮の終わりの長潮は、潮の動きがいちばんゆるやかな日、その次の若潮から、また大潮へ向かっていきます。

本当にそんなに違うのか。気象庁の横須賀の潮位表(2026年)から、1日の中のいちばん高い潮位といちばん低い潮位の差を、1か月分並べてみました。

横須賀の2026年11月の1日の潮位差と大潮・中潮・小潮

大潮の11月25日・26日は1日で190cm動くのに対して、長潮の12月2日は71cm。同じ横須賀の海でも、2.5倍以上の差があります。大潮の日は、上げも下げも潮がよく動く日、長潮・若潮のころは、潮の動きがのんびりした日だと分かります。

この図からは、もう2つ分かることがあります。

  • 同じ大潮でも、強さが違う:11月上旬の大潮は155cm、下旬の大潮は190cm。月と地球の距離などで、大潮の強さは月ごとに変わります。「大潮だから同じ」ではありません。
  • いちばん大きく動くのは、大潮の後半からその次の中潮:差がいちばん大きい日は、大潮に入った初日ではなく、大潮の終わりごろでした。翌日の中潮も、ほとんど変わらない大きさで動いています。

大潮・小潮の名前は、潮位表そのものには書かれていないので、当サイトでは月齢から計算した目安として載せています。実際にどれくらい動くかは、潮位グラフや満潮と干潮の潮位の差で確かめるのがいちばん確実です。

潮干狩りの日選びは、潮の「引き方」と「明るい時間」が決め手になります。春の潮干狩りに行く方は、潮干狩りはいつ行く?2027年のよく引く日と時間の選び方もどうぞ。

潮位表どおりにならないこともある

ひとつ覚えておいてほしいのは、潮見表の潮位は、月と太陽の動きから計算した天文潮位だということです。実際の海面は、天気によってずれます。

  • 気圧が低いと、海面は高くなる:台風や発達した低気圧が近づくと、海面が吸い上げられて、潮位表より高くなります(1hPa 下がるごとに、およそ1cm)。
  • 海から陸へ向かって強い風が吹くと、海面は高くなる:湾の奥などでは、風に吹き寄せられて大きく上がることがあります。

ふだんの釣りで気にするほどのずれは多くありませんが、荒れた天気の前後に「潮位表では干潮なのに、思ったより引かない」と感じたら、このずれです。高潮の心配があるときは、気象庁の警報・注意報を必ず確かめてください。



「波 1メートル」は、どんな海? ── 有義波高の話

次は波です。気象庁の天気予報には、地域ごとに「波 1.5メートル 後 2.5メートル」のような波の高さの予報があります。この数字は有義波高(ゆうぎはこう)といって、少し変わった決め方をしています。

海の波は、1つずつ高さが違います。ある時間に来た波を高い方から順に並べて、上から3分の1の波だけの高さを平均したもの。それが有義波高です。経験のある人が目で見て「今日は1メートルくらいだな」と感じる高さに近いと言われていて、気象庁の予報や波の図も、この有義波高を使っています。

大切なのは、有義波高より高い波も、ちゃんと来るということです。気象庁の説明によると、100個の波(おおよそ10〜20分)の中でいちばん高い波は、統計的には有義波高の約1.5倍、1000個の波(おおよそ2〜3時間)なら2倍近くになります。

有義波高といちばん高い波の関係を示す図

この図は、有義波高がちょうど1.0メートルになるように、統計の決まりにそって100個の波を作ってみた例です。濃い青が高い方から3分の1の波で、その平均が1.0メートル。でも、いちばん高い波は1.6メートルありました。「1メートルなら大丈夫」と思って波打ちぎわの低い岩場にいると、何十分かに1回来る大きな波をかぶることがある、ということです。磯や消波ブロックの上で釣りをする方は、とくに覚えておいてください。

出典:気象庁「波浪の知識」

「うねりを伴う」と周期

予報に「うねりを伴う」と書かれていることがあります。うねりは、遠くの低気圧や台風で起きた波が、長い道のりを伝わってきたものです。その場所の風が弱くても届くので、晴れて穏やかに見える日でも、ゆっくりと大きな波が寄せてきます。

うねりを見分ける手がかりになるのが周期(波が1つ来てから次が来るまでの秒数)です。その場の風で立った波は周期が短く、うねりは周期が長くなります。周期が長い波は、同じ高さでも岸に寄せたときに大きく盛り上がりやすいので、波の高さと一緒に周期も見ておくと安心です。当サイトのページでは、計算の波の高さに、周期と波の来る向きを並べています。

行く日の潮と波と風を調べる方法

ここからは、潮見表と波の高さのページの使い方です。釣りに行く日が決まったら、遠い先から順に、こんな流れで見ていくのがおすすめです。

1.地図か都道府県から、行きたい港を選ぶ

全国の潮見表と波の高さの地図

入口のページには、気象庁の潮位表の239地点を全国の地図にのせています。点の色は、その地点に近い沖の海の、今日のいちばん高い波の計算(数値予報モデル ECMWF。ない所は GFS)です。点を押すと(パソコンならマウスを重ねると)、その地点の今日の満潮・干潮が出ます。地図の下には、地方ごと・県ごとの地点の一覧もあります。この先2週間の大潮の日も、いちばん上に出しています。

2.2週間前〜:潮回りと、沖の波の計算を見る

地点のページを下へ進むと、2週間の潮回りのカレンダーと、沖の波の計算(2週間)の表があります。

横須賀に近い沖の格子の2週間の波の高さの計算

アメリカ(GFS)とヨーロッパ(ECMWF)の2つの数値予報モデルが計算した、地点にいちばん近い沖の海の、日ごとのいちばん高い波です。周期と、波の来る向きも並べました。気象庁の予報ではなく、モデルの計算そのままの値なので、先の日ほど変わりやすいものです。それでも、「来週の土日は2つの計算とも1メートル前後」「金曜は2つともそろって高い」といった大まかな傾向をつかむのには役立ちます。2つの計算が大きく違う日は、まだどちらに転ぶか分からない日、と読んでください。

同じページには、気象庁の予報と ECMWF・GFS の雨と気温を並べた2週間の天気の表もあります。

3.1週間前〜:気象庁の予報と、風と波の地図

日が近づいたら、地図で海の様子をまとめて見ます。地点のページの地図で「風と波」を選ぶと、波の高さを色で、風の強さを線で描きます。

横須賀のまわりの風と波の地図(ECMWF の計算)

この例(ECMWF の計算・11月4日15時)では、相模湾から房総の沖は2〜3メートル、その南の沖は3メートルを超える色ですが、東京湾の中は1メートルに届かない色です。地図の上の小さな箱には、横須賀に近い格子の値(波 0.8m・風 8m/s)が出ています。白い線の流れが風で、下のカレンダーで日を選んだり、▶ で時間を進めたりできます。外海は荒れていても湾の中なら、というような、釣り場を選ぶときの見当がつけやすくなります。

もっと広い範囲の風を見たいときは、天気図ビューワーの風の図も使えます。風の予想の調べ方は風の予想のオススメの調べ方と使い方、釣りやレジャーの風の目安はこちらの記事にまとめています。

4.前日・当日:気象庁の波の予報と、3時間ごとの表

前日になったら、主役は気象庁の予報です。地点のページのいちばん上の近くに、その地域の今日・明日・明後日の波・風・天気を、気象庁の発表のまま載せています(先ほどの横須賀の画面の下の表です)。「3メートル 後 2.5メートル うねり を伴う」のように、時間による変化や、うねりのことも書かれています。

そして、釣りをする時間を決めるのに便利なのが、3時間ごとの表です。

横須賀の3時間ごとの潮位と波の高さ

上の段が潮位(気象庁の潮位表)と、その後に上げるか下げるか。下の段が、沖の波の高さ・周期・向きの計算です。灰色の時刻は夜。「明日の朝は9時ごろが干潮の底で、そこから上げ。沖の波は計算で1〜1.5メートル」というように、時間ごとの潮と波を一目で見比べられます。その下には、気象庁の3時間ごとの天気と風の表もあります。

5.先の月の予定には、月ごとの潮見表

横須賀の1か月の潮見表

1か月分の満潮・干潮・潮回り・月齢・日の出と日の入りの表もあります。「11月の潮見表」「12月の潮見表」のように月ごとのページも作ってあるので、来月の釣行の計画や、旅行先の海の下調べにも使えます。たとえば横須賀の2026年11月の潮見表です。

おまけ:季節の魚の目安

横須賀のまわりの11月の季節の魚の目安

地点のページには、そのあたりの海で例年その月によく狙われる魚の目安も載せています。11月の関東なら、アジ・カワハギ・アオリイカ・タチウオ・シーバスが盛りの時期です。一般的な釣りの季節から当サイトがまとめたもので、その年の水温や回遊で大きく変わります。「この地点で釣れる」という意味ではないので、最新の様子は地元の釣具店などで確かめてください。



出かける前に、これだけは確かめて

潮と波の下調べができたら、最後に安全の確認です。

  • 気象庁の警報・注意報:波浪・高潮・強風の警報や注意報が出ていないか、出かける前に気象庁の警報・注意報のページで確かめてください。当サイトのページには、明日までの警報等の見通し(気象庁の時系列情報)も載せています。
  • ライフジャケット:堤防や磯でも、ライフジャケットを着てください。先ほどの有義波高の話のとおり、ときどき予報の数字より大きな波が来ます。
  • 立入禁止の場所に入らない:立入禁止の堤防や港の中には入らないでください。
  • 遊漁のきまり:採ってはいけない魚や貝、大きさや時期が、都道府県の漁業調整規則などで決まっています。
  • 雷:海の上や堤防は、雷のときにとても危険な場所です。雷の音が聞こえたら、すぐに竿をたたんで建物や車の中へ。今の雷は雷レーダーで見られます。

まとめ:潮は先に決まっている。波と風は近づいてから

釣りの日選びを、もう一度まとめます。

  • 潮は何か月も先まで決まっています。大潮は潮がよく動き、長潮・若潮のころはゆるやか。同じ大潮でも強さは月ごとに違うので、潮位グラフで確かめましょう。
  • 波の予報の数字は有義波高で、その1.5倍から2倍近い波もときどき来ます。うねりと周期にも気をつけて。
  • 波と風は、2週間前はモデルの計算で大まかな傾向を、前日からは気象庁の予報で確かめるのがおすすめです。

潮見表・潮位グラフ・波の高さ・風・日の出と日の入り・季節の魚まで、全国239地点をまとめた潮見表と波の高さのページを、釣りの計画にぜひ使ってみてください。最後の判断は、気象庁の予報と警報・注意報で。安全で楽しい釣りになりますように。