110ミリの雨の強さってどれぐらい?災害の心配は?避難は必要?
110ミリの雨ってよく聞くけど
ニュースで耳にしませんか?
1時間に110ミリの雨。
なんだかとってもヤバそうな雨の話をしてるけど?
大正解です。
本当にかなりヤバい雨の話をしています。
予想で1時間に110ミリの雨という予想はそうそう出ません。
「記録的短時間大雨情報」という情報が出ない限りなかなか遭遇しない
めったに見ることのない雨です。
でも、110ミリの雨って言われてもイマイチ雨の強さがピンと来ませんよね?
110ミリの雨について調べている人のほとんどが、ニュースを見て「110ミリの雨とは?」と思ったのではないでしょうか。
それなりに激しい雨というのはわかると思います。
傘よりカッパが良い雨というのも想像つくでしょうか?
でも、避難が必要なの?災害のリスクはどうでしょう?
簡単に言えば、時間110ミリの雨はものすごい土砂降りです。
傘は無いよりはマシですが、傘をさしても濡れてしまいます。
濡れるだけならまだいいですが、また、実際に降れば多くの地域で災害の可能性もある雨量です。
災害については1時間の雨の量だけで決まるものではありませんが、災害への備えについて確認が必要な降水量と考えてください。
雨の単位はミリ(mm)
雨の量の単位はミリ(mm)で表されます。
ミリは長さの単位ですよね。
じゃあ、なんの長さ?
答えは簡単。
雨を容器に貯めたときの深さが何ミリなのか。
これが雨の量の単位の意味です。
雨量や降水量と呼ばれていますが、その量ではなく容器に溜まったときの深さ(底からの長さ)を測ってます!
例えば50ミリの雨だと下の図のようになります。
雨を貯める容器は円柱や四角柱のように、深さによって広さが変わらない容器にしましょう。
今では転倒マス型の雨量計が使われていますが、昔は貯水型の雨量計が使われていました。
定義の通り、深さで雨量を測るタイプでした。
降水量の「ミリ」というのは溜まった雨の深さだということがわかります。
1時間雨量110(mm/h)であれば1時間に110ミリ(11センチ)の深さまでたまる雨。
24時間雨量110(mm)であれば24時間に110ミリ(11センチ)の深さまでたまる雨。
そういう意味です。
110ミリの雨の強さ
110ミリの雨は強い雨なの?というとそのとおりですが、気象用語では「猛烈な雨」となっています。
1時間に80ミリ以上の雨は非常に激しい雨と分類さてます。
「猛烈な雨」というのは「非常に激しい雨」のワンランク上ですね。
気象庁の定めた予報用語のなかで最上級の表現です。
時間80ミリが表現できる中で最強の雨ということです。
それを30ミリも上回るんですから相当な勢いです。
1時間あたあり110ミリの雨についての目安です。
・息苦しくなるような圧迫感がある雨。
・傘は役に立たなくなる。
・防水素材の靴でも地面からの跳ね返りがあり、靴の中が濡れる。
・水しぶきであたり一面が白っぽくなり視界が悪くなる。
・道路はもちろん、砂や土も川のようになる。
・車の運転は危険。
・外でのスポーツはあきらめましょう。
・外でのイベントもあきらめましょう。
これらが、一般的に言われていることはこのような内容です。
110ミリの雨というのは、猛烈な雨で滝のような雨を超えて息苦しくなるような雨です。
気象庁の雨の強さの定義で110mm/hの雨は?
日本の天気の取りまとめ、気象庁ではどのように110mm/hの雨についてどう書かれているのでしょう。
雨の強さについては予報用語で定められていますが、30mm/hなら強い雨は「激しい雨」と定義されています。その3倍近の雨が非常に激しい雨です。
雨の強さと振り方という気象庁のリーフレットでも同じです。「息苦しくなるような雨」「家の中で寝ていても雨に気がつく」「水しぶきであたり一面が白くなり視界が悪くなる」となっています。
想像できました?
気象庁のルールのもととなるWMOの定義では15mm/h以上は強雨となります。
それを大きく上回っています。
文句なしの強雨です。
弱雨 | 並雨 | 強雨 |
3mm/h以下 | 3mm/h〜15mm/h | 15mm/h以上 |
上の表は気象庁観測データの参考資料です。
このルールは国際的に定義されたもので100年以上の歴史を持つ地上気象観測や、航空機の運航に関わる観測通報でも使用されています。
このルールからも110mm/hの雨は、文句なしの強さで猛烈な雨と言えます。
110ミリの雨と災害の関係
1時間に110ミリの雨といえば、猛烈な雨で災害の心配も出てきます。
災害というといろいろなものがありますが、1時間に110ミリという比較的短い時間の雨と関係あるのは浸水による災害です。浸水害とも呼びます。
浸水害は、排水が追いつかず低い土地に水が溜まってしまう災害です。
説明するより画像のほうがイメージがつかめるでしょうか。
これは浸水キキクルという気象庁の浸水の危険度合いを示す指数の説明ページです。
低い土地に水がたまっていることがわかりますよね。
1時間に110ミリの雨がアスファルトやコンクリートで覆われた都会に降れば浸水の災害が発生する可能性が非常に高いです。
標高がマイナスの地域やアンダーパスの浸水などが心配になる降水量が1時間に110ミリの雨です。
この1時間に110ミリが続けば総降水量が増えて土砂災害の発生となります。
土砂崩れが何ミリの雨で起きるかは、その土地によって違います。
北海道や東北などの普段雨の少ない地域では1時間の雨とはいえ110ミリの雨が降れば、それだけで災害のリスクがかなり高まります。普段雨の多い地域では、先行降雨やその後の雨の継続性によって災害発生の発生が決まります。気象庁の発表する大雨警報や自治体の発表する避難指示に気をつけましょう。
テレビのテロップや防災系の携帯アプリ(Yahoo!天気アプリなど)のプッシュ通知ですぐに知ることはできると思います。
洪水についても同様です。1時間に110ミリの雨が降れば洪水による氾濫の可能性は高まります。
氾濫するかどうかは川の水位によってきまります。
川の水位は流域全体に降る雨の量できまります。
洪水警報はや避難指示はそういった複雑な計算の結果をもとに判断されます。
気象庁の発表する洪水警報や自治体の発表する避難指示に気をつけましょう。
洪水については、国道交通症の川の防災情報で情報を入手するのも良いと思います。
雨の振り方についてやどこで災害のリスクが高まっているかは雨雲の動きやキキクルなので確認できます。
1時間に110ミリの雨というのはそういう災害のリスクが非常に高まる雨です。
なので「記録的短時間大雨情報」という情報で気象庁は危険を知らせています。
放送局や気象会社もその危険性を理解してテロップやプッシュ通知でお知らせを流します。
近くで時間110ミリの雨という雨を聞いたら避難が必要ではないか情報を集めましょう。
ここで話しているのは1時間に110ミリの雨が降ったときの話です。
24時間に110ミリだと少し話が違いますのでそこは気をつけてください。
24時間で110ミリだと大雨注意報などが出ると思いますが、危険度が違います。
110ミリの雨でできること、できないこと
外での予定をたてたけど、110ミリの雨の予想・・・。
基本的に、本当に110ミリの激しい雨が降る予想なら外では何も出来ないでしょう。
しかし、ゲリラ豪雨タイプの狭い範囲だけで降る雨なら雨雲レーダーで確認しながら外での予定を楽しむことも可能です。
気象庁HPの今後の雨に載っていた1時間に80ミリ近い雨です。
埼玉では確かに60〜70ミリぐらいの雨が1時間に降っていますが、東と西でまったく天気が違います。
80ミリを例に出しましたが110ミリでも同じです。
こういう振り方の110ミリの雨と前線や台風などある程度広範囲に降る雨の110ミリでは意味が違ってきます。
総雨量も違ってきます。
天気予報はもちろん、先の予定であればwindyの雨の予想、その日の雨であれば雨雲レーダーで実際の雨の広がりをイメージしながら予定を立てることをおすすめします。
110ミリの雨と記録的短時間大雨情報
1時間に110ミリの雨が観測されれば、記録的大雨短時間情報が気象庁から発表されます。
TVやお天気アプリもその情報をうけて、テロップやプッシュ通知をします。
気象庁の記録的短時間大雨情報のページでは、発表する基準が載っていますが
1時間に110ミリの雨だとほとんどの都道府県で記録的短時間大雨情報が発表となります。
普段、大雨となりにくい北海道では80ミリと基準は場所によって違います。
ですが、時間110ミリの雨だと高知、徳島、三重、宮崎、鹿児島、沖縄という普段から雨の振りやすい都道府県を覗いて発表されます。
時間110ミリというのはそれだけの記録的な大雨ということです。
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