気象庁と気象協会の違いを説明。結局どっちの天気予報があたるの?
kaku
気象庁と気象協会の違い
名前はすごく似ていますが、これは別の組織です。
気象庁は国の組織です。
日本政府の中にある国土交通省の外局として活動しているのが気象庁です。
そう、政府の機関です。
気象を担当する部局はどの国も政府の中に存在します。
ですが、気象の位置づけは微妙で、文部科学省のように科学分野に属する国
軍事の一環として軍に属する国とそれぞれです。
日本では、運輸省の時代から外局として位置づけられていました。
要は、国土交通省本省の気象支部って感じです。
予算も別に割り当てられています。
ということで、資金源は税金になります。
気象庁の活動内容は天気予報から地震や火山といった自然災害に関連するものはおおよそカバーしています。
活動理念のようなものも気象業務法に示されており「国民の生命および財産を保護すること」となっています。
まとめると、気象庁は国の機関で、税金により国益のために防災関連の仕事をする機関です。
一方の気象協会は、民間の気象会社です。
国内最古の、気象会社です。
ただ、最初は気象庁の外郭団体という存在でした。組織形態としては財団法人という形態で気象協会は1950年に生まれています。
財団法人なので、公益性をもち利益追求は行いません。
ちょっと年配になりますが、ウェザーマップ社を設立した気象予報士の森田さんは以前気象協会に所属していました。
そういう、以前所属していた人の話を聞くと
気象庁が予報を発表する。
同じ若しくは近くの敷地で仕事をしている気象協会の人間がテレビやラジオで解説をする。
というのが昔の流れだったようです。
1993年の天気予報の自由化以前は、天気予報は気象<庁の独占でした。
法律上、ほかの組織は天気予報が出来なかったからです。
そのため、気象協会も解説は独占状態でした。
立地も近ければ、仕事内容も近いので混同してしまうのも納得ですね。
1993年以降は徐々に、気象庁と気象協会の仕事が分かれてきます
天気予報の自由化以降は、国の組織(気象庁)が気象協会(企業、といっても財団法人ですが)だけを優遇するわけには行かないという
事情から徐々に2つの組織の距離は離れていきます。
一方で、ウェザーニューズが躍進し気象分野を独占していた気象協会の仕事をどんどんと奪っていきます。
協会も負けてはいられません。
2009年に一般財団法人となり、本格的にウェザーニューズと対抗できる組織編制をしました。
この時ぐらいから以前のような公益性は感じられなくなってきました。
利益を追求できる民間の気象会社の気象協会となったのです!
以前は気象協会の支部は全国の都道府県にありました。
ですが、それでは採算がとれないため、現在は本社に加えて北海道、東北、中部、関西、九州の5つの支部と
わずかな地方事務所のみで運営をしています。
再三の取れない営業所の閉鎖ですね。
収益性を高める取り組みが見られます。
日本気象の豆知識ですが社員の人数は2019年現在で777人です。
社長さん、狙ってるんでしょうか?
少なくともこれから数年は、民間の気象会社のトップ2として熾烈なトップ争いを繰り広げていくことでしょう。
もちろん、気象庁は国の組織として、予報業務の許可を与える立場です。
1993年の天気予報の自由化以降、だいぶ、立場の違いが出てきましたね。
気象庁と気象協会の天気予報はどちらがあたるの?
立場が違ってきた気象庁と気象協会ですが、共通している業務もあります。
日々の天気予報です。
気象庁は国民の生活のために天気予報を発表しています。
また、気象協会も独自のサービスとして天気予報を発表しています。
天気予報を作る際に、それぞれがまったく別の作業をしているわけではありません。
天気予報の出来方で詳しく紹介していますが、天気予報は3段階の作業でできます。
①観測データを収集する
②スーパーコンピューターで物理法則に基づいた計算をする。
③計算結果をAI的な統計処理や人の経験的な方法で補正をする。
という3段階です。
その3段階のうち①と②は気象庁の仕事です。
民間の気象会社の仕事は③になります。(加えて言えば、④その解説という仕事もありますが)
天気予報が発表会社によって違うのは③のAI的な統計補正や人の補正によって結果が変わってくるからですね。
さぁ、結果が違うのなら成績も違うはずです。
天気予報は気象庁と気象協会、どちらが当たっているのか、興味がありますよね?
私は個人的な興味でその疑問を調査しています。
気象協会と気象庁だけではなく大手4社の順番をつけています。
結果は当たる天気予報ランキングで発表しているので興味があればどうぞです。
そして、調査の結果、6月から8月までの全国の天気予報を調査(合計6000以上の天気予報を調査)で
勝:気象庁が84.1%の適中率
負:気象協会が82.4%の適中率
およそ1.7%という微差で気象庁の天気予報に軍配が上がりました。
ただ、まけた気象協会も誇れる結果だと思います。
気象協会といえばTENKI.JP
気象協会より、すでに名前が有名になりつつあるのがTENKI.JPです。
インターネットやアプリで天気予報を見ようと思って検索すると
上位に表示されるのがTENKI.JPです。
表示も見やすいこのTENKI.JPですが運営しているのは気象協会です。
天気予報はもちろん、洗濯指数や熱中症指数など指数関係の予報も充実しています。
また、気象庁ではカバーしていないPM2.5の情報を提供しているという特徴もあります。
どうでしょう?
気象庁との差を理解してもらえましたか?
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