簡単にわかる天気予報の出来方(同じような天気図の日から予想するは嘘!)
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天気予報はこうやって出来る(一般向け)
天気予報の歴史はだいぶ古いです。
トリチェリーの気圧の発見以前は、生活で得た経験則によって天気予報をしていました。
燕が低く飛べば雨とか猫が顔を洗えば雨とか(晴れという地方もあるらしいですが)
雲の意図が光って見えれば雨とか様々です。
しかし、近年では、コンピューター登場で大きく変わりました。
ここでは、その近代の天気予報の出来方を説明します。
まずは観測から始まる
未来を知るためには、今の状態を確実に知ることが大切です。
天気に関わる要素は様々ですが、代表的なものは
気温、湿度、気圧、風向、風速
です。
気温を測るといえば、アメダスのように地上で測ることをイメージしますが
それだけではありません。
天気予報では、地球全体の状態を知ることが必要になります。
地上だけでは半分も知ったことにはなりません。
そのため、飛行機に観測機器を設置してそこから気温通報してもらったり上空に風船を打ち上げて大気の状態を観測します。
ゾンデ観測と呼ばれて世界中で行われることは知ってましたか?
日本では16か所で、毎日2回、朝の9時と夜の9時にゾンデ観測をしています。
飛行機についても、ほとんどの飛行機が観測通報には協力をしています。
こういった直接的な観測以外にも
気象衛星から風向きを測ったり、ドップラーレーダーと呼ばれる気象レーダーから風向きを調べたり
様々な方法で大気の状態を調べています。
どうして、そんなに観測をするかって?
必要だからです。
観測データの使い方といえば、天気予報をするためですね。
もっと具体的に言えば、スーパーコンピューターで計算するためです。
スーパーコンピューターで天気予報の素を作る
頑張って収集した観測データはスーパーコンピューターに集まります。
天気予報は時刻の軍事にも関係する大切な情報です。
天気予報は戦争中は機密情報で一般には知らせられませんでした。
米軍が台風進路予想とかをしているのもそういった理由なんです。
さて、世界各国、日本では気象庁のスーパーコンピューターに大量の観測データが集まり計算が始まります。
日本の天気を計算するために、実は世界中の大気の状態を計算しています。
ブラジルの天気でも、数日後には日本の天気に関係するからです。
天気の計算は地球全体の大気をメッシュ状にして各メッシュ(格子)の大気の状態を計算します。
下の図の四角、一つ一つについて、気温、風、湿度を計算します。
湿度も100%を超えたら水蒸気から水や氷になる・・・といった計算も含まれます。
計算は当然、物理法則に基づいての計算です。
物理法則は微分方程式と呼ばれる方程式になっています。
ですが、その式は中学や高校の数学のように式をそのまま解くことはできない方程式です。
なので、コンピューターが数字を代入しながら計算するという、人間には真似できない計算が行われています。
その、数字を代入しながする予想を数値予報といいます。
数値シミュレーションと呼ばれるものの1種で、近代では各分野で採用されています。
そうやって、数値予報によって作られるのが天気図です。
天気図はスーパーコンピューターによって計算された結果の一つです。
普段よく目にするのは、地上天気図だと思います。
ですが、天気図はそれだけではありません。
下の図のように、雨の量まで計算した天気図があるんです。
天気予報の基本は、この、スーパーコンピューターが計算した雨が基本になります。
雨の量まで計算してくれるってすごいですよね?
これなら、なんの知識がなくても天気が分かります。
私はこの予想結果を見ることをオススメしているので
興味があれば誰にでもできる天気予報を見てください。
スーパーコンピューターの計算結果は微調整される
スーパーコンピューターの計算で8割は天気予報が出来てしまいます。
でも、まだ8割です。
そこからの調整が、気象会社や気象庁の予報官の仕事です。
話はそれますが、iPhoneの標準の天気アプリは当たらないですよね?
iPhoneの標準の天気アプリの天気予報が当たらないのは
アプリに天気予報を送っている会社がアメリカの会社で、これから話す2割の仕事をしていないからです。
iPhoneの標準の天気アプリはスーパーコンピューターの計算結果そのままだから当たらないんです。
天気予報の調整って何?
スーパーコンピューターの計算には、クセがあります。
傾向といってもいいでしょう。
数値予報には数種類あるのですが、基本となる気象庁のグローバルモデルと呼ばれる数値予報計算モデル。
頑張って世界中の大気を計算して雨まで計算してくれるのですが
「弱い雨が広範囲に計算される」という傾向があります。
また、地面に近い層で湿りが多く、上空を乾燥させるという特徴的もあります。
こういう、計算結果ごとのクセを調整するのが天気予報の調整です。
そして、この調整の違いが民間の気象会社の天気予報の違いになります。
どこの気象予報会社が一番上手に調整しているかは、当たる天気予報ランキングで発表していますのであわせてどうぞ!
この、スーパーコンピューターの計算結果の調整方法は様々です。
代表的なものでは、この計算結果を統計処理する方法があります。
その統計処理自体もスーパーコンピューターがするので
「スーパーコンピューターの計算結果をスーパーコンピューターが統計結果からダメ出しして調整する」
という訳の分からないことが天気予報業界では行われています。
統計結果といっても様々ですが、具体的には
「500m高度の南風が強いので雨の量はもう少し多くしよう」
とか
「1500m付近の湿度が低く乾燥しているので、計算結果より雨は少なくしよう」
といった調整です。
この統計処理には過去の気象データが使われています。
この、調整のための統計処理に過去の気象データが使われているため
「同じような天気図だった時の天気を参考にして天気予報を発表している」
という出まかせが広がっていますが、この答えは、天気予報の作り方としては30点の答えです。
統計処理による補正は、天気図とは関係ありません。
台風の南風だろうが、高気圧を周る南風だろうが、統計上は同じ南風として扱われます。
「スーパーコンピューターの計算結果を過去の傾向で調整している」
という方が正しいです。
最後は人が調整する?
今では天気予報は、ほとんどがコンピューターの作業になっています。
ウェザーニューズの5分ごとの天気予想や1時間先の天気予想などはおそらく完全に自動化されています。
ですが、影響の大きい(テレビ等で使う)広域の予想やユーザーへの予想(飛行機とか)は
最後に気象予報士が調整をしています。
数値予報は種類が沢山あり、どれを採用するか。
気圧配置の特徴を押さえた天気の表現となっているか。
など、人間目線で、受け手の印象まで考えて作業を行います。
AIが進化して時代は変わるといわれていますが、2019年現在、まだまだ天気予報に人間が関わる余地はあるようで
最後の大切な調整は人間に任されている会社も多いようです。
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