災害の備え、水の量はどれぐらい必要?
災害の備えで一番大切なのは水
人間は水と少量の塩、睡眠環境さえあれば2週間生きて行けると言われています。
まぁ、そんなの嫌ですけどね。
ですが、水がなければ3日生きるのが精一杯でしょう。
人間が災害で最も備えておくべきことは水の確保です。
では、蓄えておいた水、どのような用途にどのくらい必要でしょうか。
飲料水はどれぐらいの量必要か
厚生労働省の「健康のため水を飲もう講座」によると、人間は1日に2.5リットルの水が必要です。
食事から1リットル接種し、体内で0.3リットル作られます。
そして、のみ水として1.2リットルです。
十分な食料があるなら1日1.2リットルで足りますが、災害時は食事が十分ではありません。
また、普段は行わないような作業も行わないといけませんし夏であればエアコンが動かず普段より水が必要となります。
そういった事も考えると1人あたり1日に3リットルは必要です。
あとは、何日分の水が必要かという問題ですが、これは場所によって違います。
人口の多い地域の避難所であれば3日後ぐらいからはだんだんと安定した飲料水が供給されるようになります。
5日から1週間もすると完全に安定した飲料水の供給体制が整います。
お住まいの地域の規模に合わせて3日~1週間程度の準備をしておきましょう。
大規模な災害を想定して少し具体的に書きます。
災害発生初日は外部からの物資は届きません。
自宅に備えてある飲料水と自治体が備えて保管してる飲料水が頼りです。
コンビニやスーパーの水はあっという間に無くなります。
2日目は臨時の物資が届けられ始めます。
政府の災害対策本部が、スーパーやコンビニ等のための物資を避難所に向けるように特別な指示を出します。
ですが、災害時は高速も一般道も大きく渋滞するため簡単には物資が届きません。
運よく届いても災害発生2日目は量が少なく「焼け石に水」のような状態です。
3日となるとやや良が増えてきます。
全国的な物流調整をして、被害の少なかった地域の物資を、被災地向けに融通しそれが届き始めます。
例えば、関東で災害があれば、北海道や関西、中国、四国、九州のスーパーに送るはずだった食料品を被災地の避難所に向けて送ります。
日本全国から少しずつ物流が集まる訳ですから当然量は大幅に増えます。
ですが、今度は被災地側での物流の仕分けが追い付かず地域による物資の偏りが出てしまいます。
災害発生3日間はそういったバタバタした状態です。
行政の対応力や過去の経験次第で落ち着くまでの日数は差があるでしょうが3日もすれば被災地の近くにまで物資は届いています。
大量の飲料水もすぐそこまでは来ているはずです。
参考資料として、東日本大震災時の水道水施設被害調査の結果(厚生労働省)から抜粋した資料を掲載します。
災害発生して3日~4日で大幅に給水車の台数が増えています。
3日目で既にピークの値の2/3程度の給水車が動いています。
人口の多い地域であれば高い確率で3日目には給水車が避難所に来ているでしょう。
そういった理由から都会であれば3日、地方であれば5日、田舎であれば1週間という日数を推奨します。
4人家族で人口の多い地域なら、3リットル×4人×3日=36リットルという計算ですね。
2リットルのペットボトル18本。
1ダース12本の箱買いで1.5箱の計算です。
物にもよりますが、3千円で購入できる量です。
意外と安いですよね?
また、段ボール2箱ぐらいならそこまで場所もとりません。
いざという時のための備えとして、2箱、3千円。安いものですね。
ペットボトル水の賞味期限は?
災害時のストックとして水を保管する場合、賞味期限が気になりますよね?
通常のペットボトル水の場合、保存期間は2年の物が多いです。
上に紹介してある天然水も2年です。
ですが、防災目的の備蓄用水には5年以上、長いものでは10年以上も保存出来る水があります。
保存期間が長い方が良いという人もいるでしょう。
ですが、若干割高になります。
普段から水を購入する人であれば2年の賞味期限の水をローリングストック(使ったら補充するという方法)するのも手段の一つです。
また、防災の日(9月1日)などに定期的に点検をして期限が近ければ買い代えるというのもありです。
10年保存だと、いざ10年目に使う場合、少し気になるという人もいるでしょう。
その辺は好みの問題となるので自分の好みで2年保存なのか、5年保存なのか、10年保存なのか考えてください。
水道水は保存可能なのか
カルキなどが入っている水道水は、ある程度の保存は可能です。
塩素の残っている水道水は常温でも3日程度は保存が可能です。また、冷蔵庫に入れていれば10日は備蓄できますがその程度の日数では災害用の備蓄には向きません。
災害用に保存することを考えると、煮沸してから保存することを考えるかもしれませんが、水道水は煮沸して塩素を抜くと逆に長持ちしません。浄水器フィルターを通した水も一緒です。
やはり、災害時用の飲料水を確保するのであればペットボトル水の方が適しています。
災害時の生活用水
飲料水以外にも生活用水は必要です。
一番の利用はトイレです。
災害時、電気が無くても水洗トイレは流せるように設計されています。
大雨が予想される場合は断水の可能性があるので生活用水としてお風呂に水を貯めておきましょう。
地震の場合は事前に貯めておく事が不可能です。
そのため、震災時は生活用水が無くて困る人が多くなります。
地方整備局の「震災で最も苦労した事」に「生活用水の確保」を挙げています。
普段から備えておくとしたら「水が大量に入るポリタンク」が最適でしょう。特に
①口に蓋の出来るもの
②口の広い物
の2通りがあると便利です。
口に蓋の出来るポリタンクがあれば川などから水を汲んで車で持ち運びができます。
飲料水以外であれば、特にトイレ用の水であれば川からくんだ水でも十分です。
給水車が来たときもポリタンクに水を汲んで運ぶのが一般的です。
また、バケツのように口が広いものは雨水を貯めることにも役たちますし、水を流すときなど使用する場面でも役立ちます。
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