【気象予報士対策】仮温度について~予報用語~
仮温度を学ぶ前に水蒸気浮力とは?
仮温度を初めて私が知ったときの最初の疑問は
「なんで、仮なん?」
ということでした。
まったくご利益を感じられない。
しかし、最近になってそのご利益を感じ始めているので皆様にも共有します。
その前に、「水蒸気浮力」を知らないと意味が無いのでまず
水蒸気浮力からお話します。
水蒸気浮力とは
高校で習いますが、空気の平均分子量は28.8。
1molの分子で28.8gって話です。
では水蒸気は?
水蒸気は水なのでH2O…18ですね。
水は1molで18g
別に細かい数字は置いといても水蒸気の方が空気より軽いことが分かります。
普通、空気の重さなんて気にしません。
が、少し科学に興味があれば「暖かい空気は軽い」とか
「冷たい空気は重い」
と知っています。
では、湿った空気と乾いた空気、どちらが軽いか?
という話はいかがでしょうか?
先に水蒸気の重さの話をしたのでお分かりかもしれません。
「湿った空気=水蒸気が多い空気」
空気の一部が水蒸気(軽い気体)ってことです。
それなら、湿った空気が軽いですよね?
水蒸気が多い気体は軽くなります。
浮力が働きます。
それを水蒸気浮力と言います。
仮温度は湿った空気の重さを比較できる
ここまで「湿った空気は乾燥した空気より軽い」ということを話てきました。
同じ温度なら、湿度を比べてどちらが軽いかすぐに分かります。
では、湿度も、温度も違う場合、どちらが軽い空気か分かりますか?
簡単にはわかりません。
そこで、登場するのが仮温度です。
仮温度=( 1 + 0.61×混合比)×気温
簡単な式ですね。
混合比はその名前の通り、乾燥空気と水蒸気の重さの比です。
乾燥空気1kgに対して水蒸気の15gなら
混合比は 15g/kg となります。
地域にもよりますが、ちょっと水蒸気なぁ・・・と感じるぐらいの数字です。
比なのでグラム同士で比較しても間違いではありません。
しかし、乾燥空気をkg、水蒸気をgで表すと
5~25g/kgの分かりやすい数字となるため
g/kgを使うのが実用的です。
しかし、ここではg/gを使います。
上の例なら、混合比=0.015
です。
15g/kgの例で更に計算すれば
仮温度=( 1 + 0.61×0.015)×気温
仮温度=1.01×気温
ふむふむ。
1%変わるぐらいか。
ケルビン温度だと27℃=300Kとすると
3K(ケルビン)ぐらい。
湿潤断熱変化変化(100mあたり0.6℃)だと500mぐらい?
それなりに影響はありそうですね。
私が最初に仮温度を学んだのは一般気象学です。
有名なテキストですね。
気象予報士を目指すなら絶対に必要な、だれでも持っているであろう1冊です。
持っていない場合は是非、ご購入ください。
web上で詳しい資料を見ようと思ったら「中小規模気象学」
が役に立ちます。
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