雨の強さと降り方のイメージ、1ミリから1000ミリまで!

2022年7月21日

雨の強さ、●●ミリにも種類がある

雨の強さを表現するときに●●ミリの雨、〇〇㎜の雨という表現、聞きますよね?

では1ミリの雨とは?100ミリの雨とは?イメージがわかないという話はよく聞きますのでここで紹介いたします。

1時間降水量と24時間降水量、総雨量がある

降水量の単位はミリですが

①短い時間の雨の強さを表す1時間降水量

②1日トータルの雨の強さを表す24時間降水量

③数日間の雨の合計を表す総雨量

の3種類がよく使われます。

1時間雨量(1時間降水量)

短い時間の雨の強さのイメージとして使われるのが1時間雨量です。1時間降水量とも言います。1時間よりさらに短い10分間降水量というものも存在します。ただ、気象庁で集計があるというぐらいでよく使われるのは1時間降水量です。

気象庁の予報用語出雨の強さと降り方では、1時間降水量と人の受けるイメージの関係を表しています。

1時間降水量は人の受けるイメージに近い」ということが分かります。天気予報で「激しい雨が降る」や「非常に激しい雨が降る」などの表現がありますが、それも1時間降水量に基づいた予想です。

24時間雨量(24時間降水量)

文字通り24時間の降水量です。人の受けるイメージというよりも、災害が発生するかどうかを考える目的で使われます。今では、注意報や警報の基準として使われませんが10年ほど前は注意報や警報の基準として使われていました。災害とのある程度の対応があるからですね。

今では注意報や警報の基準として、より災害との対応が良いとされる土壌雨量指数などが使われれいますが長い間24時間降水量が使われていました。普段雨が降るかどうかによって違いはありますが、500ミリの雨と言われればある程度規模の大きな土砂崩れ等が発生したり洪水も発生するような雨量を想像できます。分かりやすい(?)表現の1例として「1ヶ月分の雨量が1日で降る予想です」などの表現もこの24時間降水量から計算できます。

 

総雨量(総降水量)は連続雨量とも言う

24時間降水量とほぼ同じような使われ方をします。災害との対応がある程度あるとされています。道路の通行止めの基準や立ち入り規制の基準として「連続雨量」という言葉で使われることもありますが、意味は同じです。

「降り始め」から「降り終わり」までの雨量の合計です。

雨が降っている途中であれば

「降り始め」から「現時点まで」という使い方もあります。

国土交通省の事前通行規制のページには連続雨量の基準が載っています。

連続雨量が〇ミリを超えて、時間雨量が●ミリを超えると通行止め・・・

というような使われ方です。

 

降水量の単位、ミリの意味

よく「雨の単位がミリだけど意味が分からない」という話を聞きます。

雨の単位はミリである理由は簡単です。

容器を用意して、その容器に雨が何ミリたまるか・・・・

という単純な意味です。

容器は四角柱でも円柱でも三角柱でも柱状の形ならなんでも一緒です。

三角錐のようにとんがった形はだめですね。

雨の入り口から下方向に真っ直ぐ伸びた容器でなければいけません。

でも、逆にそういう柱状の形の容器ならどんな容器でも雨の量は測れます。

円柱と角柱が分からない場合は算数の角柱をご確認ください。

そして、その容器に溜まった水の高さが雨量です。

50㎜たまれば雨量は50㎜。

単純な話です。

50㎜の雨のイメージ

 

1時間の降水量、1㎜から100㎜の雨のイメージ

1時間降水量は人の受けるイメージとかなり近いと言われています。

個人的には10分降水量の方が近いと思いますが歴史も浅いのでこれが認められるのはもうしばらく先の事でしょう。

当面は、気象庁の雨の強さと降り方が最も公式の資料となるでしょう。

下の表は、気象庁の表をさらに細分化したものです。

1㎜の雨とか5ミリの雨とかよく聞くけどイメージしにくい、分かりにくいという人は多いと思います。

↓あなたの印象とあってますか?

1時間の降水量 予報用語 受けるイメージ 人への影響 車に乗っているとき 屋外の様子 災害との関係
0.5ミリ 1ミリ未満の雨 雨降ってるかな?雨降ってるね~ 傘が欲しくなる
(どうにか我慢も可)
ワイパーを手動でたまに動かす 水たまりまではできない 災害を起こす雨ではない
1ミリ 雨だ 傘は必要 ワイパーは一番弱い自動 道路に少し水たまりができる 災害を起こす雨ではない
1~5ミリ 傘は必要。
人によってはカッパも
ワイパーは一番弱い自動 道路に水たまりができる 災害を起こす雨ではない
5~10ミリ しっかりした雨 傘だけだと、足元、肩などはみ出した所はびしょ濡れ ワイパーは中 土でも水たまりができる 単体で災害を起こす雨ではない
10~20ミリ やや強い雨 ザーザーと降っている 靴下までびしょ濡れ ワイパーは強 地面一面に大きな水たまりができる 単体で災害を起こす雨ではない
20~30ミリ 強い雨 どしゃ降り 膝下までびしょ濡れ
カッパが必要
ワイパーは最強 水たまりから水が流れているのが分かる 地盤が緩んでいる所に降ると危険なことも。
30~50ミリ 激しい雨 バケツをひっくり返したような雨 腰まで濡れることも
カッパが必要
水たまりに注意が必要
ハイドロプレーニング現象にも注意
道路が川のようになる 場所によっては土砂崩れや浸水が起きたこともある。
50~80ミリ 非常に激しい雨 滝のような雨 カッパがないとびしょ濡れ 視界が悪く徐行が必要
アンダーパスは完遂の可能性が高まる
水しぶきで視界が悪化する 雨の降る期間によっては浸水、土砂災害の可能性がある
80~100ミリ 猛烈な雨 恐怖を感じる。
圧迫感を感じる。
視界が悪く足元も水たまりで歩きにくい。
傘をさすと傘が重く感じる
安全な所に駐車を! 雨で近くしか見れない。雨と雷の音しかしない。 雨の降る期間によっては浸水、土砂災害の可能性がかなり高まる
100ミリ~ 猛烈な雨 恐怖。すごい。
(ほとんどの人が)初めての経験
危険なので身を守る行動を。 こうなる前に安全な場所に駐車を! ほとんど外が見えない。 災害が起こっている可能性が高い

24時間の降水量、1㎜から1000㎜の雨のイメージ

ニュースを聞くと100ミリの雨が予想されるとか、熱海の土砂災害では400ミリの雨が降ったとか、そういう報道があります。でも、100ミリの雨とか200ミリの雨とか言われても想像しにくい人は多いと思います。

24時間で100ミリの雨

土砂災害の可能性が出始める雨量です。

普段から雨の多い沖縄、九州、四国ではまだ災害は発生しにくいですが、北海道、瀬戸内海側の地域、関東や関西の内陸部で降れば土砂崩れも発生することがあります。

気象庁から注意報が出て注意が必要な状況が想像されます。

5段階ある気象警戒レベルのうち、気象警戒レベル2になる可能性が高いということです。

注意報については気象庁HPをご覧ください。

注意報(気象警戒レベル2)であれば気象情報の収集は必要ですが、避難するレベルではないでしょう。

 

24時間で300ミリの雨

土砂災害の可能性が高まる雨量です。

報道されるような被害の出る大雨の場合もあります。

2021年7月10日は伊佐市で312ミリの大雨となり災害も発生してニュースとなりました。

洪水の危険度も高まります。

場合によって線状降水が発生する可能性もあります。

ほとんどの場合、警報が発表されます。

気象警戒レベル3になる可能性が非常に高く、気象警戒レベル4となり

避難指示が出る可能性も高い雨量です。

防災情報の収集が必要です。

24時間で500ミリの雨

気象警戒レベル5の特別警報が発表される可能性がある降水量です。

年に1回予想されるかどうかのレベルです。

子の情報を聞いたら最大限の危機感を持つ必要があります。