関東の歴代最高気温ランキング!県ごとの過去の観測史上最高気温を比較!

2021年8月28日

関東の歴代最高気温(観測史上最高気温)でランキングを作ってみました

日本の最高気温気温は、41.1℃で浜松(静岡県:2020/8/17)、熊谷(埼玉県:2018/07/23)の2地点がならんています。

2位は41.0℃で江川埼(高知県:2013/8/12)

こういったランキングは歴代最高気温(観測史上最高気温)ランキングなどで見ることができます。

では?関東に絞ったランキングは?

と聞かれるなかなかありません。

ということで、まとめてみました。

統計方法

最高気温の順位付けをすると、地点の重複はどうする?とか様々な流派(?)がありますが、今回は気象庁の公認の記録で集計し、地点が重複しても数えない方法、言い換えると、地点の歴代最高気温を順位付けしてみました。

方法としては、気象庁の最高気温全国歴代ランキングと同じ方法となります。

関東の観測史上最高気温ランキング

下の表が関東の観測史上最高気温ランキングです。関東には福島は入れず、山梨を入れる統計としました。

順位 気温 日付 地点名 都道府県 市町村
1位 41.1℃ 2018/7/23 熊谷(クマガヤ)* 埼玉県 熊谷市
2位 40.8℃ 2018/7/23 青梅(オウメ) 東京都 青梅市
3位 40.7℃ 2013/8/10 甲府(コウフ)* 山梨県 甲府市
4位 40.5℃ 2020/8/11 伊勢崎(イセサキ) 群馬県 伊勢崎市
4位 40.5℃ 2020/8/11 桐生(キリュウ) 群馬県 桐生市
6位 40.5℃ 2013/8/10 勝沼(カツヌマ) 山梨県 甲州市
7位 40.4℃ 2007/8/16 越谷(コシガヤ) 埼玉県 越谷市
8位 40.3℃ 1998/7/4 上里見(カミサトミ) 群馬県 高崎市
8位 40.3℃ 2007/8/16 館林(タテバヤシ) 群馬県 館林市
10位 40.2℃ 2004/7/20 牛久(ウシク) 千葉県 市原市
10位 40.2℃ 2020/8/11 鳩山(ハトヤマ) 埼玉県 比企郡鳩山町
12位 40.0℃ 2001/7/24 前橋(マエバシ)* 群馬県 前橋市
13位 39.9℃ 1990/7/19 大月(オオツキ) 山梨県 大月市
13位 39.9℃ 2018/7/23 寄居(ヨリイ) 埼玉県 大里郡寄居町
14位 39.9℃ 2013/8/11 茂原(モバラ) 千葉県 茂原市
16位 39.8℃ 2020/8/11 佐野(サノ) 栃木県 佐野市
16位 39.8℃ 2018/7/23 所沢(トコロザワ) 埼玉県 所沢市

最高気温が40℃を超えたことのある地点は全国に32地点あります。

そのうち、12地点が関東になります。

このランキング、1位は有名でしょうが、2位が東京都で青梅となります。

この青梅の41℃は全国ランキングでは10位となります。

青梅と言えば、東京都にしては自然もありやや涼しげなイメージがあるかもしれません。

しかし、海から離れて内陸の気候になります。そのため、冬は最低気温が下がりやすく、夏は気温が上がりやすくなります。埼玉県の熊谷や、山梨県の甲府がランクインしているも同じ理由ですね。

このランキングを見るだけ「夏場の最高気温は海から離れた内陸部の方が高くなりやすい」ということがわかります。

海水温は関東であれば、一番高い時期でも28~29℃ぐらいなので、最高気温を下げる方向に働きます。

海水温については、気象庁の海水温解析図を参考にしました。

 

東京都心(千代田区)の観測史上最高気温は39.5℃

普段天気予報で耳にする東京の最高気温。

東京のどこ?と思うかもしれません。

観測地点は千代田区北の丸公園となります。

東京・北の丸公園露場(東京地点)

緑に囲まれて最高の観測環境ですね。

ニュースなどで表示される最高気温はこの地点の最高気温を予想しています。

当時は気象庁の本庁庁舎から近かったのですが、2020年に虎ノ門へ移転しました。

しかし、観測については以前としてこの北の丸公園で行われています。

これだけの好条件、都心ではなかなかないでしょうし当然ですね。

移転となれば統計が継続できない可能性もあります。

アスファルトの上やコンクリートだらけのオフィス街では更に高い気温となるでしょうから。

話をもどします。

この緑に囲まれた公園で観測された最高気温が東京の最高気温となりますが

歴代最高気温は39.5℃となります。

観測したのは2004年7月20日です。

東京の最高気温

梅雨前線は東北地方付近まで北上していますね。

東京は梅雨前線の南側に位置します。

南側の高気圧も勢力が強いですね。

天気が良いことはこの天気図だけでもある程度想像がつきます。

気温については真ん中にグラフを掲載していますが、14時頃にかけて上昇していることがわかります。

気象庁のHPに掲載されていましたが、この14時ごろにかけて北西の風がふき、フェーン現象の影響も加わりこの日の最高気温は39.5℃まで上昇しました。

フェーン現象は、「空気が山を越える際に発生させた凝結熱(雲を発生させるための熱)の影響で気温が上がること」

を言います。

東京の場合は、関東平野が広いですが、その北西には関東山地がありますよね。

更に北西には飛騨山脈などもあります。

それらを超えてきた空気は陸地で加熱されながら東京まで届きます。

そして、東京に届くころにはかなりの高温となっています(水蒸気はないので乾いた空気のはずです)。

晴れて日射が強かったことに加えて、そういったフェーン現象の影響で気温が高くなったと想像できます。

 

ちなみに、下の図は2018年7月23日、青梅で東京全体の観測史上最高気温を観測した日の天気図です。

そして、この日は熊谷で日本の観測史上最高気温を更新した日でもあります。

この日の熊谷の最高気温41.1℃は2021年現在も最高気温の記録(1位タイ)として残っています。

この日の天気図、東京地点(千代田区)で最高気温を観測した日と天気図は似ていませんか?

四国沖に低気圧があって、東京付近に陸地を超えた風が入りフェーン現象が発生しやすいように見えます。

関東はこういった気圧配置の日に記録的な最高気温が観測されるんですね。

2018年7月23日の気温_

 

東京の最高気温の39.5℃は、気圧配置も影響していたことがわかりますね。

今年は最高気温の更新はあるのでしょうか。

山梨県の観測史上最高気温は40.7℃

ここからは関東の各県の観測史上最高気温についてみていきましょう。

関東の歴代3位の最高気温は山梨県の甲府の40.7℃です。

2013年8月10日に観測されました。

下の表は山梨県の歴代最高気温のランキングですが1位も2位も同じ日ですね。

ちょっととんで6位も2013年8月10日が最高気温です。

2013年8月10日が山梨県にとって記録的な暑さだったことが良く分かります。

1位 甲府(コウフ)* 甲府市 40.7℃ 2013/08/10
2位 勝沼(カツヌマ) 甲州市 40.5℃ 2013/08/10
3位 大月(オオツキ) 大月市 39.9℃ 1990/07/19
4位 切石(キリイシ) 南巨摩郡身延町 39.2℃ 2016/08/09
5位 南部(ナンブ) 南巨摩郡南部町 38.9℃ 2016/08/09
6位 古関(フルセキ) 甲府市 38.6℃ 2013/08/10
7位 韮崎(ニラサキ) 韮崎市 38.4℃ 1994/08/02
8位 大泉(オオイズミ) 北杜市 36.5℃ 2013/08/11

山梨県の最高気温

東京で歴代最高気温が観測された日と少し似てますね。高気圧が山梨県の南西方向にあります。

この高気圧の勢力圏で天気は晴れていました。日照時間の情報からもずーっと晴れていたことが分かります。

この気圧配置なら、北西からの風が吹き、フェーン現象が発生することが予想されます。

関東で気温が高くなる夏のパターンですね。

また、この2013年はダウブル高気圧とワイドショーで騒がれた、チベット高気圧と太平洋高気圧の両方の勢力圏内に日本があり、気温が高くなりました。

 

群馬県の観測史上最高気温は40.5℃

群馬県の最高気温ランキング(地点ごと)です。

伊勢崎、桐生の40.5℃は、関東のランキングでは4位でした。

栃木県の最高気温ランキングをみていると、2020年8月11日が目立ちますね。

5地点で、この8月11日が観測史上最高気温になっています。

上位10地点のうち、5地点です。

半分ですね。

同点で1位となっている40.5℃もこの日に観測されています。

1位 伊勢崎(イセサキ) 伊勢崎市 40.5℃ 2020/08/11
1位 桐生(キリュウ) 桐生市 40.5℃ 2020/08/11
3位 上里見(カミサトミ) 高崎市 40.3℃ 1998/07/04
4位 館林(タテバヤシ) 館林市 40.3℃ 2007/08/16
5位 前橋(マエバシ)* 前橋市 40.0℃ 2001/07/24
6位 西野牧(ニシノマキ) 甘楽郡下仁田町 39.2℃ 2020/08/11
7位 神流(カンナ) 多野郡神流町 38.7℃ 1994/07/05
8位 沼田(ヌマタ) 沼田市 38.1℃ 2020/08/11
9位 中之条(ナカノジョウ) 吾妻郡中之条町 38.0℃ 2020/08/11
10位 みなかみ(ミナカミ) 利根郡みなかみ町 35.8℃ 1994/08/15

下の図は、群馬県で記録的な最高気温気温を観測した日の天気図です。

右には、気温のグラフを載せています。

群馬県の最高気温

天気図をみていると、風が群馬県に向かって南西から吹いていることがわかります。

その、南西がちょうど陸上になっているのがポイントです。

陸上で暖められた空気が群馬県に流れ込んできます。

また、この日は南西にある地形の影響でフェーン現象も発生したといわれています。

その他にも、前日からの高温の影響で、最低気温が内陸なに冷え込まず朝から暑かった(9時の時点で32℃越え)などの要因が挙げられます。

 

千葉県の観測史上最高気温は40.2℃

千葉県の観測史上最高気温は、牛久で2004/7/20に観測された40.2℃です。

この記録は関東のランキングで10位、全国ランキングでも25位タイとなります。

千葉県と言えば、海に近い地域のイメージがありますが、40℃以上の観測があるんですね。

 

下の表が千葉県の観測史上最高気温のランキング表になります。

表によく出てくる日は2004年7月20日と2013年8月11日ですね。

2013年8月11日はどこかで見たような・・・・これは、当時、全国の観測史上最高気温を更新した江川崎(高知県四万十市)で41.0℃を観測する日の前日になります。連日の高温でしたからね。

千葉県
1位 牛久(ウシク) 市原市 40.2℃ 2004/07/20
2位 茂原(モバラ) 茂原市 39.9℃ 2013/08/11
3位 我孫子(アビコ) 我孫子市 39.2℃ 2013/08/11
4位 佐倉(サクラ) 佐倉市 39.1℃ 1995/08/20
5位 船橋(フナバシ) 船橋市 39.0℃ 2013/08/11
6位 千葉(チバ)* 千葉市中央区 38.5℃ 2015/08/07
7位 成田(ナリタ) 成田市 38.4℃ 2004/07/20
8位 横芝光(ヨコシバヒカリ) 山武郡横芝光町 38.1℃ 1995/08/28
9位 木更津(キサラヅ) 木更津市 37.6℃ 2015/08/07
10位 坂畑(サカハタ) 君津市 37.0℃ 2004/07/20

千葉県の最高気温

千葉県の歴代最高気温を記録した日の中で代表的な2日の日の天気図です。

どちらも、西(九州や四国沖)に高気圧がありますね。

そこからの風(西風)がフェーン現象を引き起こして高温となったと推測されます。

もちろん、よく晴れて強い日射も影響しています。

どの最高気温の天気図をみても思うことですが、フェーン現象+陸地の暖かい風が高温の原因になるんですね。

 

栃木県の観測史上最高気温は39.8℃

栃木県の観測史上最高は佐野の39.8℃です。

2020/8/11に栃木県の佐野で観測された気温です。

栃木県は海なし県、内陸です。

内陸なので40℃を超えることが無いのは少し以外でした。

この39.8℃というのも関東内で16位の記録です。

さて、下の表が栃木県の観測史上最高のランキングです。

言い換えると歴代最高気温のランキングですね。

栃木県
1位 佐野(サノ) 佐野市 39.8℃ 2020/08/11
2位 小山(オヤマ) 小山市 38.9℃ 2020/08/11
3位 宇都宮(ウツノミヤ)* 宇都宮市 38.7℃ 1997/07/05
4位 真岡(モオカ) 真岡市 38.2℃ 2020/08/11
5位 那須烏山(ナスカラスヤマ) 那須烏山市 37.6℃ 2013/08/11
6位 大田原(オオタワラ) 大田原市 37.2℃ 2018/08/01
7位 鹿沼(カヌマ) 鹿沼市 37.1℃ 2020/08/11
8位 塩谷(シオヤ) 塩谷郡塩谷町 36.6℃ 2007/08/15
9位 今市(イマイチ) 日光市 35.6℃ 2009/07/13
10位 黒磯(クロイソ) 那須塩原市 35.3℃ 2007/08/15

この表をみると、2020年8月11日が一番多く登場してます。

10位までのうち4日がこの日です。

しれっと2013年の8月11日が混ざってますが。

この2020年8月11日は茨城、栃木、群馬、埼玉など周辺の県でも観測史上最高気温を観測しています。

詳しくは観測史上最高気温ランキングで集計しています。

栃木県の観測史上最高

栃木県の歴代最高を更新した2020年8月11日のデータです。

天気図は、四国沖に低気圧がある関東で気温が上がりやすい気圧配置になっています。

この気圧配置だと南西から風が吹きますからね。

地上の風の観測でも南南西となっています。

関東でフェーン現象が起きたことは容易に想像できます。

栃木県は南に平野が広がっていますが、他の方向は山に囲まれています。

フェーン現象も発生しやすい地形ですね。

この地形で40℃越えが無いのは少し不思議です。

神奈川県の観測史上最高気温は38.1℃

関東はどの県も軒並み40℃を超えるような観測史上最高の記録があります。

ただ、神奈川県だけは、38.1℃とやや40℃から離れています。

やはり、海の近い神奈川県、そこまでの最高は今のところ観測されていないようです。

下の表が神奈川県の観測史上最高気温のランキング表です。

1位も2位も同じ2016年8月9日です。

この日を神奈川県の一番暑かった日といっても差し支えないでしょう。

神奈川県
1位 海老名(エビナ) 海老名市 38.1℃ 2016/08/09
2位 横浜(ヨコハマ)* 横浜市中区 37.4℃ 2016/08/09
3位 辻堂(ツジドウ) 藤沢市 36.9℃ 2020/08/16
4位 小田原(オダワラ) 小田原市 36.6℃ 2011/08/18
5位 三浦(ミウラ) 三浦市 36.4℃ 2004/07/21

神奈川県の観測史上最高気温

図は、そのときの天気図と気温のグラフです。12時ごろにかけて気温がぐんぐん上昇してますね。

台風が近くにいるのが少し以外ですが、そこからの風がフェーン現象を引き起こしています。

フェーン現象については、気象庁の更新資料に記載されていますので間違いないでしょう。

神奈川県の場合、南側が海なので南風ではフェーン現象は発生しません。

この台風周辺の北東風の影響で気温が上がったと考えられます。

今日、気温が上がったのは神奈川県だけでなく、東京都心(千代田区の観測地点を指します)でも気温が上がっていました。

2016年8月9日は関東屈指の暑かった日と言えるでしょう。

ですが、これだけの条件で神奈川県では39℃を超えていません。

神奈川県が40℃を超えるのは少し先の話となるかもしれません。