台風の予想、便利な7つのサイトを紹介
kaku
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台風について、国内で予報できるのは気象庁だけです。
そう、国内では。
勘のいいあなたは分かりますよね?
台風進路予想は1種類しか目にしませんが、実は海外のサイトをみると結構載っています。
ヨーロッパのECMWFのや米軍の台風進路予想です。
ほかにも、韓国や中国なんかも予想はありますが、日本の技術より上をいっているのはアメリカとECMWFぐらいでしょう。
民間の気象会社は予想したらだめなの?
そう、ダメなんです。
天気予報はOKです。民間の気象会社でしてください。
ただ、防災に関係する情報はNGです。
理由は簡単で、いろいろ台風の予報があると混乱して危ないから。
A社「台風来るぞ!危ないぞ!」
B社「大丈夫よぉ~」
なんてなると、避難や対策もしづらいことでしょう。
警報なども同様に気象庁だけの仕事です。
まぁ、TVでアナウンスするのはTV局、ネットに記事を載せるのはサイト運営者なので、警報がなくても
警戒を促す事はできる時代ですが。
さて、前置きが長くなるまえにご紹介を。
基本は気象庁の台風予報
気象庁の台風予想は現在、勢力(風速や中心気圧●hPaとか)については5日に延長されました。また、進路については以前から5日の予報をしています。
国内のサイトでは予想の内容に差はありません。
ただ、表示方法に少しずつ個性があるのでちょっと紹介させてください。
Yahoo!天気
https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/
トップの表示は、普通ですが地図表示にするとYahoo!地図上に表示してくれます。
見やすい!
普通の台風進路予想の図って、地図が小さかったり、思ったように拡大出来なかったり
不便に感じたことはありませんか?
そんな時に使いたいなるのが地図への台風進路予想の重ね合わせです。
これからは、こういう地図との重ね合わせが主流になるかもしれません。
地図の拡大や縮小はもちろん、重ね合わせの地図を衛星写真に変更することもでします。
変更できる種類は、Yahoo!地図そのままですが、「写真」「鉄道」「航空写真」「水域図」「地形図」「ボールド」などの種類があります。
また、ここでは台風情報を重ね合わせていますが、雨雲レーダーに変更することもできます。
台風の進路予想も拡大して衛星写真と重ね合わせするとかなりリアルになります。
使ってみたら楽しいですよ。
今日は台風進路予想の重ね合わせとして紹介していますが、雨雲レーダーとの重ね合わせは普段から使えて便利です。
自転車での遠出など、地図と雨雲レーダー一度にみれた便利だと思いませんか?
台風進路予想の話にもどしますが、防災情報なので、台風の進路の予想に使っているデータは気象庁の台風進路予想です。
リアルタイムで更新されています。気象庁のHPが更新して1分以内に更新しているように感じます。
ほぼ、リアルタイムです。
台風が日本に接近する場合、Yahoo!のニューストップで見るのも、Yahoo!天気の台風進路予想ですね。
一番目にする機会の多い台風進路予想ではないでしょうか。
日本気象協会
日本気象会の運営しているTENKI.JPは、情報が豊富です。
ウェザーニューズといい勝負ですが、無料で使うならこちらの方が充実しているように感じる人も多いでしょう。
TENKI.JPのサービスの特徴は
- 台風が近づくと気象予報士の解説が掲載される
- 掲載される気象予報士の解説が丁寧
- 台風進路予想に雨雲レーダーが重ねられる(大雨の状況がよくわかる)
という点でしょうか。
台風進路予想だけみて、危険なポイントってすぐには分からないですよね?
防災のポイントを解説するのが気象予報士の仕事ですが、その大事なポイントをわかりやすく丁寧に解説してくれます。
波浪予想やレーダー画像もあってパッとみて分かるないようです。
こういう、サービスに気が利いているのが気象協会の(TENKI.JPの)特徴だと思います。
ユーザー目線を意識したサービスというのはTENKI.JPのサイトの構成にも現れています。
例えば、HPのトップ一つとっても、必要なメニューが上にズラリ。
ユーザーは必要に応じて、見たい所をクリックするだけです。
案外、ファーストビューに必要な情報へのリンクを網羅するって難しいんですよね。
気象協会は、季節特集や気象関係のニュース、気象予報士の書いたコラム的解説などが充実しています。
情報ツールとしてだけでなく、読み物としても楽しむのも、TENKI.JPの楽しみ方かもしれませんね。
気象庁
国内の台風関係の情報の発信源は、気象庁です。
もちろん、最近は気象庁もHPで工夫をした様々な防災情報を発信しています。
紹介しないとなかなか目に入らない情報もあるでしょうからいくつか紹介しますね。
暴風域に入る確率
暴風域に入ると、電車やバスといった公共交通機関がストップになることは多いですよね。
電車もバスも各社が運航の基準を持っていますが暴風域に入ることや、暴風警報が発表されることが運休の基準になっている所も多いようです。
また、自前の風速計で運航を判断している所もありますが、はやり暴風域に入ると風が強まり、運休になってしまいます。
そういった、普段の生活に影響の大きい暴風域に居ついて、入る確率がわかるととても便利です。
自分の命や、自分の財産を守る防災の観点からも大事な話ですね。
さて、暴風域に入る確率の表現。下の図のように、図で色分けして暴風域に入る可能性を知らせてくれるサービスがあります。
また、慣れ親しんだ台風経路図のように面的に見るのもいいですが、あなたの住んでいる地域が暴風域に入る確率を表す確率を棒グラフで表示することもできます。
地域ごとに出すことができるので、「いつから台風の影響が大きくなるんだろう」という心配に対して適切に回答してくれます。
すべて、気象庁のHPの台風進路予想からアクセスできるので、私生活や防災活動に活かしてくださいね。
話は少しかわりますが、2019年から、台風の勢力予想が5日に伸びました。
国民性もあるでしょうが、外国ではかなり前から5日の勢力予想が発表されている国もありました。
ただ、勢力予想は精度が低いので日本では3日にとどめていました。
ですが、精度も向上したということで5日の勢力予想も始めたようです。
次に紹介するのは、日本より先に5日間の勢力予想をしていたアメリカの予想になります。
米軍の予報
トップから入って、右側の「TC Warning Graphic」にアクセスしてください。
注意点として、標記の時刻はZタイム(国際標準時=UTC)なので、00Z→9時、06Z→15時 12Z→21時 18Z→翌日の03時と、いった感じでしょうか。
9時間進めれば良いのです。
昔は日本より精度もよく、予報時間も5日と長かったのでよく頼りにされていましたが、今では気象庁が5日進路予報をしてくれるので、あまり特徴的ではなくなりました。
ただ、アメリカの台風進路予想は日本単体の台風進路予想より精度は上です。
天気予報は、学問上気象学に分類されますが、気象学の、特に数値予報というスーパーコンピューターの計算の分野については日本よりアメリカの方が先を進んでいます。
日本が5日予報を始めたからといって、スーパーコンピューターの計算結果がアメリカの台風進路予想と同じ精度を持っているかというとそうではありません。
次に紹介するECMWFが世界のトップですが、アメリカの台風進路予想はそれに近い精度を持っています。
台風進路予想をみるのにとても役立つページであることは間違いないでしょう。
王者ECMWF(ヨーロッパ中長期予報センター)
王者と書かせていただきました。
残念ながら、日本の天気予報は、このECMWFに後れをとっています。悲観的なひとは10年遅れとか言っていますが、細かな事は私にもわかりませんが、言えることはただ一つ、かなり当ててきます。
台風の予想資料ではなく、先の天気予報図ですが、パット見て台風がどれかはわかると思います。一目瞭然です。
台風がやや複雑なコースをとるとき、米軍や日本の台風予想がECMWFの予想に追いつくのに1~2日かかったりります。
もちろん、ECMWFの予想が暴走することもありますが、長期間みていると、ECMWFだけ他国の予報と違って別のルートを予想した場合、数日後に米軍も、日本の予想も、それをなぞるような予報をしてきます。
あえて、文句を言わせてもらえば・・・表示が遅い!
ご覧になる方は、気長に待ってください。
ヨーロッパまでアクセスしているので(笑)
さて、ECMWFのサイトについてですが、予想図が台風専用の図ではありません。これは、台風のことだけ見ればデメリットですが、10日先までの予想が見れる!というメリットでもあります。
注意点として、この図は850hPa すなわち、上空1,500m付近の天気図です。50m/sの色がかかっているからといって、地上・海上付近でもそのような風速になるわけではありません。(瞬間最大風速ではそれに近いぐらいの風が吹くかもしれませんが)
ECMWFの台風進路予想については、見方がややこしいのでまとめています。参考にしてください。
台風の進路については、天気図と別に台風専用の予想図もあります。
台風が複数ある場合は、左の番号から選択してください。
しかし、日本の台風予想に比べて 予報円が狭い・・・。どこに台風が動くのか正確に予想出来ているのでしょう。
恐ろしい実力。さすが王者。
日本の台風予想~その2~
その2ってなんや?って話ですが、その2があるんです。
台風の進路予想とは別に、週間天気予報用の資料をみれば、5日より先の台風のうごきがある程度わかるわけです。
昔はHBCさんの天気図をみていましたが、今では便利なサイトがるのでここで紹介させてください。
このサイト、めちゃくちゃ優秀なので、別の機会に細かく紹介したいと思っています。
今回は、台風の話なので、URLだけ紹介しますが、インターフェースもしっかりしているので直感的に使用可能だと思います。
使ってもらえばわかると思いますが、このサイトもECMWF同様に台風専用の図ではないありません!
10日先までの資料は見れますが、一目でわかるように1枚の図にまとめたわけではありません。
また、同じ日本の予想ではありますが、気象庁の台風予報と微妙に違っていたりします。
スーパーコンピューターの予想資料はGPV気象予報で表示できるものだけではないので、違いがあるのです。
GPVWetherは各国の台風進路予想を重ね書き
GPVWetherというページは、見たことがありますか?
このページでは、5つの国の台風進路予想を一目手で見ることができます。
先に紹介したECMWFの予想は、表にはスペースが確保されいますが、常にリンク切れになっているようです。
データが掲載されているは、アメリカ(GFS)、イギリス、カナダ、日本、アメリカ海軍になります。
アメリカが2つありますが、数値予報モデルが違うので結果は違ってきます。
GPVWetherの素晴らしいところを挙げると
- 各国の台風進路予想を一目で見ることができる
- 過去の予想も、見るこができる
- アンサンブルメンバーも見ることができる
という3点でしょうか。
アンサンブルメンバーというのは、ちょっと耳慣れない言葉かもしれません。
各国の12Z(21時のこと)や00Z(09時のこと)とあるリンクをクリックするとたくさんの進路予想が表示されます。
台風進路予想をスーパーコンピュータが物理法則に基づいて計算するときに、最初の状態(気圧や風、温度など)を微妙に変化させて何通りか計算しています。
何通り計算するかは、国ごと、プロダクトごとに違っていますが、アメリカのGFSのアンサンブルメンバーを見ることができるGPVWetherは貴重なページです。
この、複数通りの計算の平均値が、台風の進路予想になります。
複数通り計算するメリットは、誤差を勘案して予想に取り込むことで精度が上昇するためです。
また、誤差の大小を把握できるというメリットもあります。
では、1番のおすすめは?
ここまで、7つの台風進路予想を紹介しました。
日本のものから海外のものまで。
では、1番のおすすめは?
結論から言えば、一番のおすすめは気象庁の台風進路予想になります。
日本人だから言っているわけではありません。
理由は、一番当たる台風の進路予想だからです!
え!?日本の技術って世界一位なの?
いえ、そうはありません。
これは、気象庁のHPの隅っこの専門的な情報に載っていることなのですが
2014年ごろから、気象庁は台風進路予想に海外の予想を取り入れ始めました。
日本の台風進路予想と言いながら、日本だけではないんです。
世界の数値予報モデルのECMWFの予想やアメリカのGFS、イギリスの予想に日本の台風進路モデルの計算結果を
平均しいて台風進路予想をはじめました。
この、各国の台風進路予想を合わせて予想を行う方法をコンセンサス予報と呼んでいます。
コンセンサス予報が始まってからの成績は見ていませんが、間違いなく2014年以前よりはアップしているでしょう。
なぜなら、10年は先を進んでいるといわれる海外(特にECMWFの予想)を参考に台風進路予想をしているのですから当たり前です。
なんともずるいような気がしますが、当たる台風進路予想を出すためです。
納得しましょう。
なので、普段天気予報で見ている天気図の台風の位置(基本的に日本の数値予報で計算した台風の位置)と
台風進路予想の台風の位置は微妙に差があります。
場合によってはおおきな差がある場合もあります。
そういうときは
海外の台風進路予想を取り込んで変更したんだなぁ~
と感じ取ってください。
具体的に令和元年台風台10号の予想を見てみて
実際に、台風第10号の進路予想を6時間ごとに追いかけてみたのですが、やはり、各国の台風進路予想の真ん中ぐらいの所を予想し続けています。
気象庁は、公言通り、海外の台風進路予想を予想に取り入れていることがわかりますね。
予想に使っているのは、アメリカ、ECMWF、イギリス、日本の4つのようでカナダやオーストラリアなどは予想に使われていないようです。
まぁ、成績の良い国の予想を使うのは当然ですよね?
昔は、米軍の台風進路予想がどうとか、比較して見ていましたが、今は気象庁の発表する予想自体にそれが入っているので
あまり必死に比較する必要はないのかもしれませんね。
せっかく沢山のページを紹介したんですが、結果は、日本の台風進路予想が一番当たるという落ちになってしまいました。
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