世界一当たる台風の進路予想ならECMWF

2020年2月23日

台風の進路予想について、ECMWFの天気図を見るという方法は紹介されていますが、台風の進路予想の見方についてはあまり詳細に述べられたページもないのでここでまとめておきます。

ECMWFとは

ECMWFは、ヨーロッパ中期予報センター (European Centre for Medium-Range Weather Forecasts)のことです。

読んでわかると思いますが、ヨーロッパの気象機関です。

18カ国が参加しています。

何が有名かって言いますと、このECMWF、世界で一番当たる天気予報として有名です。

週間天気予報の天気図や、台風進路予想を見ていると、ズバット当ててくれます。

天気予報は

①気象観測で、データを収集

②スーパーコンピューターで計算、低気圧の位置や発達度合いが分かる。雨の分布もある程度わかる。

ーーーここまでは、国の機関の仕事、気象庁やECMWFの仕事ーーーー

③最後に、地域特性やモデルのくせを考えて、予報会社を修正

この②が、スーパーコンピューターの計算が異常によく当たるんです。

台風の進路予想をみていると、ECMWFの予想と日本やアメリカの台風予報を見比べた場合

最初はバラバラの予想をしていても、数日経ったら日本もアメリカもECMWFの予想に近づいていくことが良くあります。

それぐらい、ECMWFの天気図は当たるので各国が参考にしています。

18カ国が連合しているため、研究員が充実しています。

日本を含めたどの気象機関より、モデルの開発に充てられる人員が多いそうです。

日本では、1人でする研究を、ECMWFでは5人で研究・・・と考えたら、それは技術が進歩するのも理解できますね。

イギリス、フランス、ドイツ、その他北欧・・・これだけの国なら資金的にも充実していそうですね。

それは、当たる天気図が作られることでしょう。

台風の進路予想も精度は抜群です。

 

ECMWFの台風進路予想

さて、では見方のご紹介。
↓面倒くさい人は、これで見てもOKです。

入り口はこちらからが良いでしょう。

ECMWFの台風進路予想

おそらく、下のようなページにたどり着くと思います。

台風を選択

 

当然、日本の機関ではないので、世界中の台風があります。

日本は「Region 04」=領域04 なので、「Region 04」となっている台風を選択します。

日本のこの図ではW33となっていますが、日本の台風◎◎号とは番号が違います。

期間ごとに認定の基準が違うのでどうしても番号は違ってきます。

基本的には台風のできた順番で番号をふっていきますが、台風と認定するかどうかの基準が違うので、微妙に順番が変わってきます。

台風が複数ある場合は、戻ることもできるので、とりあえず試しにクリックしてみましょう。

さて、台風の番号を選択すると進路予想へジャンプします。

これがECMWFの台風進路予想図

ECMWF_ENS

ページの内容について簡単に説明します。

 

①左半分の図が台風の進路予想です。このへんを通る確率が90% とか色分けをしています。

日本の予報円の中に入る確率70%・・・よりかっこよいですね。

精度が高いので先に行っても、予報のずれが少ないですね。流石です。

②右上の図が台風の勢力のカテゴリ予想です。

カテゴリといわれるとやや耳なじみがないかもしれませんが「強い」「非常に強い」といった勢力といえばわかりやすいでしょうか。

最も下のクラスTDだと、熱帯低気圧で台風未満の勢力になります。

TSだと台風、HR1は更にその上(強い台風とか天気図ではSTSと書かれてきますね)といった感じです。

③右側中段が台風の風速です。

kt表示なので注意が必要です。m/sにするためにはだいたい半分ですね。60kt→30m/s ちょっと大雑把ですか?制度を考慮するとこのぐらいで差し支えないと思います。

④右側下段が台風の中心気圧です。

気圧なので値が低い(図では下のほう)ほど、強い台風という予想になります。

ECMWFの予報は非常にあたるので参考になりますが、気象業務法の影響で、日本の会社が防災に用いる台風進路予想は気象庁のものです。

 ウェザーニューズの台風進路予想も気象庁の台風進路予想

 Yahoo‼天気・防災の台風進路予想も気象庁の台風進路予想です。

 気象協会の運営するTENKIJPのの台風進路予想も気象庁の台風進路予想です。

アプリ版にしても同じです。

なので、ECMWFの台風進路予想をみるには、ECMWFの台風進路予想を直接見に行くことが一番です。

と、いうことで ECMWFの台風進路予想 をどうぞです。

ECMWFの台風進路予想は天気図からも

天気予報の資料には、2種類あります。「幅をもった確率予想との資料」と「一つの線になった、幅のない資料」

前の節で紹介したのが「ここ~ここ」と範囲を示しているようなものが「幅をもった確率予想との資料」です。

いくつものモデルで計算させて「台風のコースや勢力はここからここの間やろ?」って考え方です。

アンサンブルモデルと呼ばれ、中期以上だと精度が高い手法と呼ばれています。

また、進路予想についても、風速予想についても、真ん中に一本線がありますがこれが、「高解像度モデル」の予想です。

緻密に計算したらこうなった!」といった感じでしょうか。

ECMWFのをみると、それぞれの日のECMWFの予想した台風の位置が確認できます。

ECMWF_高解像度モデル

天気図は、台風があってもなくても作成されますが、台風がある場合は、台風進路予想との比較にも使えます。

ECMWFの天気図は国内ではなかなか見れないので(日本では気象庁の天気図が表示されるので)、非常に参考になると思います。

なぜなら、よく当たるから・・・。