風速の単位の総まとめkt(ノット)とm/s(秒速)とmph(マイル毎時)
風速の単位はkt(ノット)とm/s(秒速)と時速(時速)とmph(マイル毎時)がよく使われる
風速の単位、いろいろありますよね。
同じ風速なのに単位が違って不便な気もしますね。
ですが、それぞれメリットがあるので使われ続けています。
1つ1つ見ていきましょう。
ただ、せっかちなあなたのためにまとめは先に載せておきますね!
↓m/sに変換 | ↓km/hに変換 | ↓ktに変換 | ↓mphに変換 | ↓fpsに変換 | |
1m/s | 1m/s | 3.6km/h | 1.94kt | 2.23mph | 3.28fps |
1km/h | 2.28m/s | 1km/h | 0.54kt | 0.62mph | 0.91fps |
1kt(ノット) | 0.51m/s | 1.85km/h | 1kt | 1.15mph | 1.69fps |
1mph(マイル毎時) | 0.45m/s | 1.61km/h | 0.87kt | 1mph | 1.47fps |
1fps(フィート毎秒) | 0.31m/s | 1.10km/h | 0.59kt | 0.68mph | 1fps |
これらの単位変換は、「風の単位変換」のページでも変換ができますよ!
風速の単位 m/s(メートル毎秒)
日本の公式気象機関の気象庁が使用して風速の単位がm/s(メートル毎秒)です。
公文書で1886年に定めたことが気象庁HPのQAに記載されています。
MKSA単位系に準拠してm(メール)とs(秒)を使っていますのでとても自然な選択です。
風速の単位にm/sを使うのは、最も普通といってもいいでしょう。
単位は物理等学問の世界ではMKSA単位系が普通ですが、気象の分野では生活に密着したktやmphが使われることがあります。
それぞれ利点がありますが、日本は学問的な側面で利点のあるm/sを単位として公式に採用しています。
m/sであれば、様々な物理の式にあてはまるときに単位変換をせずにすみます。
学問、工学の視点からみると自然で便利な単位設定となります。
他の単位に変換するときは
1 m/s=3.6km/h = 1.94kt = 2.23mph (マイル毎時)= 3.28fps(フィート毎秒)
となります。
風速の単位 kt(ノット)
航空の分野ではktが使用されます。
METAEやTAFと呼ばれる航空の観測や予報では風の単位でkt(ノット)が使われています。
また、船舶関係にも使用されることが多く、結果として気象分野にも使用されることが多くあります。
専門的に使用される天気図の風速を表す矢羽根もkt(ノット)の表記です。
kt(ノット)は、海里毎時です。1時間に何海里進んだかを意味します。
1海里=1852mなので秒速に変換すると
1852/3600 = 0.514m/sとなります。
え!?海里?
私は最初にそう思いましたので先に海里を話ましょう。
海里とは
海里とはNM(ノーティカルマイル)です。
英語圏やJALで使用されているイメージがあるマイルとは少し違います。
nm(ノーティカルマイル)は緯度(北緯とか南緯の)の1分にあたります。
1度の1/60ですね。
地球1周(4万㎞=40000000m)の1/360(=1°)の更に1/60(=1分)となります。
1nm(ノーティカルマイル)=40000000m×(1/360)×(1/60)=1 851.85185 m
となります。
ただ、地球が僅かに扁平であることを考慮しれば測る場所によって変わることになります。
そのため、国際的に1nm(ノーティカルマイル)=1852mと定義しました。
1929年の臨時国際水路会議で決められたそうです。
nm(ノーティカルマイル)は地球を基準とした距離です。
地球上の角度で1′(1分)です。
この、角度というのが重要なポイントで、例えば星を頼りに航海するとき、
1nm真北に移動すれば、北極星の見える角度が1分高くなります。
60nm真北に移動すれば、1°北極星の見える角度が1分高くなります。
真南に移動すればその逆ですね。北極星の見える角度低くなります。
kt(ノット)の単位変換のまとめ
単位なので変換は簡単です。
1kt(ノット) = 0.51m/s= 1.85km/h = 1.15mph(マイル毎時) = 1.69fps(フィート毎秒)
特に、日本ではノットからm/sの変換が良く使用されます。
概算で(といっても実用ではほぼ問題ない精度ですが)
2kt ≒ 1m/s が便利です。
kt(ノット)の半分がm/sとても簡単ですね。
10kt = 5m/s、20kt = 10m/s、30kt = 15m/s、40kt = 20m/s、60kt = 30m/s
といった具合です。
風速の単位 mph(マイル毎時)
日本ではあまり使用されていませんが、海外の資料をみるとみかけることが多くあります。
最近では、風速ではありませんが、「大谷のボールが100マイル!」など話題になりますね。
時速でほぼ160kmなのでこれで覚えている人も多いのではないでしょうか。
また、マイルは英語圏(特にアメリカ)で使用されます。
1マイルがおよそ1600mなので、400m×4のリレーはマイルリレーと呼ばれますね。
野球の中継で使用されていることからマイルが生活に根付いていることは感じることができます。
日本の時速ぐらいの感覚でしょうか。
nm(ノーティカルマイル)が海上や航空で使用されるのに対して、マイルは陸上で使われることが多い単位です。
マイルはラテン語のmille、1000という意味に由来があり、歩幅2歩分の1000倍・・・というのが原点にあります。ただ、そんな曖昧なものではなく、現在1マイルは1609.344 mと定義されています。
mphは1時間に1マイル進む速度、m/sに換算すると
1mph = 0.45m/s = 1.61km/h = 0.87kt = 1.47fps
となります。
風速の単位 fps(フィート毎秒)
フィートもアメリカが中心となって使用されています。
アメリカ人はややこしい単位が好きですね。
学術的には迷惑なものですが、使っている分には慣れ親しんでいて
これぐらい・・・と分かりやすいのでしょう。
fpsはフィート毎秒です。
1ft=30.48cm=0.3048mです。
気象分野では雲の高度がftで図られることが多く
METAEやTAFと呼ばれる航空の観測や予報では雲の高さはft(フィート)表記されます。
ものすごく大雑把に計算すると3000ft≒1㎞ となります。
風速の話でfps(フィート毎秒)を計算するのであれば
1fps(フィート毎秒)= 0.31m/s = 1.10km/h = 0.59kt(ノット) = 0.68mph(マイル毎時)
となります。
日本の風速には風力というものがある
風速だけでなく、風力というものがあります。
インターネットが普及している今であれば、1m単位で風速が入手されていることが当然です。
しかし、以前は、風速を電報という形式で通報していました。
風速を12段階のレベルに分けて、風速がどの段階なのか・・・を電報で通報していました。
下の表がその風力と風速の対応表です。
風力 | 風速の範囲 | kt(ノット)表示 |
0 | 0~0.3m/s | 1kt未満 |
1 | 0.3~1.6m/s | 1~4kt |
2 | 1.6~3.4m/s | 4~7kt |
3 | 3.4~5.5m/s | 7~11kt |
4 | 5.5~8m/s | 11~17kt |
5 | 8~10.8m/s | 17~22kt |
6 | 10.8~13.9m/s | 22~28kt |
7 | 13.9~17.2m/s | 28~34kt |
8 | 17.2~20.8m/s | 34~41kt |
9 | 20.8~24.5m/s | 41~48kt |
10 | 24.5~28.5m/s | 48~56kt |
11 | 28.5~32.7m/s | 56~64kt |
12 | 32.7m/s~ | 64kt~ |
気象庁の風力階級表からの抜粋です。
風力は実用的な側面もあります。
風力7は気象庁の海上風警報と対応しています。
風力7である15m/s前後の風は「強い風」に該当し被害が出始める風速となります。
風力8は海上強風警報と対応しています。
風力8である20m/s前後の風は「暴風」に該当し大きな被害が出始める風速となります。一般の船であれば出航している船はいないでしょう。
風力10は海上防風警報と対応しています。まず、船の出航は無いでしょう。
人間の間隔は風速を1m/s刻みでは捉えません。
そもそも、風は時間や場所によるバラつきが多いものです。
ある程度の範囲でまとめてある風力は、人の感覚に近く実用的とも言えます。
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コメント一覧
勉強になります!
海外と日本の違いもよくわかりました!