天気予報がよく外れる理由

2021年6月25日

天気予報は当たらない。100%当たる天気予報は無い

「天気予報が外れた!」

よく聞く話です。信頼できるサイトはどれ?

まぁ、多少の差はありますが、大きな差ではないと思います。

全国の天気予報ランキングで調査をしましたが、どこの会社も100%ではありません。

日食や潮汐については、何十年も前から分単位で正確に予想できますが、天気予報は100%になりません。なぜでしょう。

理由は様々あるので1つ1つ見ていきましょう。

 

スーパーコンピューターの計算結果が外れている

これは週間天気などによくあることです。

現在の天気予報は、スーパーコンピューターの計算結果がもとになっています。

物理法則み従った計算です。

というと、かなり正確に聞こえますが、実はそうおでもありません。

スーパーコンピューターが大気の状態を計算する時は、地球上大気をメッシュ状に分割して計算します。その経験は世界でトップのECMWFでも10㎞より少し小さいぐらい。日本だとどれぐらい先の話かによりますが20㎞メッシュにして計算しています。しかも、その状態を数秒~十秒刻みで計算します。そういった細かいことは「気象庁の数値予報についての資料」に書かれています。

でも、こういった資料を読むほどに計算には現実と違う近似的な計算がされていることがわかります。大気の水平方向の計算は正確だが鉛直方向の計算は近似的だとか、極側の計算が近似的だとか、雲の生成過程が近似的だとか。そもそも、大気ってこんな四角形のキューブ状じゃないとか。

メッシュ状のイメージ

そういった、積もり積もった計算の近似が誤差を生んで、誤差の積み重ねが正確ではない天気予報につながります。

でも、考えてみたら仕方ないんです。だって、地球全体の気温や湿度なんて誰も測っていないんだから。

天体の運動や、潮汐の運動は意外とシンプルな計算です。

物理では日食は2体問題(を2つ重ねたようなもの)として解析的に解けています。

方程式で解けると言いかえられます。

満潮や干潮も同様です。

式によってかなりの精度で計算できます。

ところが、天気予報の場合、その式がかなり複雑に絡まっている状態です。

大気の状態だけでも3次元の風+湿度+気温と5つの式が必要ですが、雲が雨を降らせたり、氷になっていたり、そのせいで太陽光の影響が変わったり、そもそも地球上で人間が活動していたりでとても正確に計算は出来ない状態です。

なるべく誤差が少ないように計算はしていますが、日々工夫をしていまが、それでも雨雲の発生位置の計算が不正確で天気予報は外れてしまいます。

これが代表的な天気予報の外れる理由です。

コロナの影響で天気予報が外れるようになった?

ちょっとだけ話題になったこともありますが、コロナの影響は天気予報にも確かに影響を及ぼします。

なんで?

と思うでしょうが。

ちょっと前に説明しましたが、天気予報はスーパーコンピューターの計算結果がもとになっています。その計算をする元のデータは観測データです。

地上のデータは簡単に測れますが、上空のデータは簡単に測れません。

あなたの上空の気温、しかも1㎞ごとに・・・なんていわれても測れないですよね?

計算にあたり、上空の気温は不足気味です。

なので、数値予報の計算には航空機の観測する気温や湿度のデータが使われています。

飛行機の観測する気温が天気予報に活用されているんです!

さて、話はかわって、下のグラフは海外旅行者の数です。

国土交通省のページから持ってきました。

コロナの影響で激減ですね。

コロナの影響で航空機は半分以下になっています。

時期にもよりますが、8割減など。

飛行機が飛ばないと上空の気温のデータも減ってしまいます。

データがないと正確に計算が出来ません。

天気予報の精度も下がってしまうという訳です。

コロナの影響、こんなところにもあるんですね。

ただ、個人的な感覚ですが目に見えて精度が落ちているようには感じません。

トータルすると少し精度は落ちるかもしれませんが、まだ、誤差のうちでしょうか。

天気予報の精度検証でも、コロナの影響を受けたであろう1月や2月はそれほど精度は落ちていませんので。

適中率グラフ20212月まで