台風は右側が危険?出来方は?台風の全て
海の上で発生して防風や豪雨を発生させる台風
台風は右側が危険?出来方は?
疑問がいっぱいですよね?
一つ一つ説明していきましょう。
台風とは?
台風、風が強い・・・。
なんとなくそんなイメージですよね?
気象庁の予報用語でしっかりと決まっています。
台風とは「北西太平洋または南シナ海に存在する熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上のもの」
ポイントは2点。
「最大風速がおよそ17m/s」と「熱帯低気圧」
まず、風速ですが、34ノットは17.2m/sの風。正確には17.2m/s以上の風が台風には必要です。
また、熱帯低気圧ですが、これはしくみの問題です。
寒気と暖気が入り混じってできるのが温帯低気圧。普通の低気圧ですね。
これに対し、海水の水蒸気をエネルギーとして発達するのが熱帯低気圧です。
台風は右側が危険?
kaku
kaku
よく言われることですね。台風の右側が危険。
結論から言えば、ほとんどの場合、当たっています。でも、必ずではありません。
台風の右側は危険円と言われることがあります。船で海を渡るのが危険なので危険円と呼ばれるそうです。
逆に、左側が船で航海できるので可航円と呼ばれます。
台風に近ければ、航海は出来ませんが、台風の右側ほど離れなくても航海ができるという意味です。
台風自体は、低気圧なので、右側も左も風自体は同じのはずですが、台風が北上して日本付近にくるときは右側がの風が強くなっています。
理由は、台風を北上させる風にあります。
日本付近にくる台風はほとんどの場合、太平洋高気圧の周辺の風に日本付近に北上してきます。
この、太平洋高気圧周辺の台風を流す風は、南寄りの風です。
ちょうど、太平洋高気圧を回るように、時計回りの風が吹いています。
その、太平洋高気圧を回る南風と、台風の南風が合わさる右側が風が相対的に強くなることになります。
下の図がそのイメージです。
台風の左側は、高気圧を周る南風と逆向きの風になるので、風は弱められます。
弱められるといっても、元々の風が相当強いので、危険なことにはかわりません。
台風の高気圧の周りを周る風が5m/sだとすると
台風の右側が5m/s 加算され、左側が5m/s少ない風速になる計算でしょうか。
図の右上に、伊勢湾台風や室戸台風といった被害の大きかった台風の右側と左側の風速を載せています。
台風にもよりますが、だいたい、計算した通り、台風の右と左で風速差が10m/sぐらいですね。
理由が分かれば簡単な話ですね。
少し、詳しい人向けに補足します。
高気圧を周る風は必ず南風とは限りません。
台風を動かす風も、必ず高気圧周辺の風とも限りません。
ですが、地上の天気図を見るだけでどこが危険円かは分かります。
台風でも、普段の天気でも同じです。
気圧の線(等圧線)が混んでいるところが風が強いというのは物理の決まりです。
自然界の決まりとってもいいでしょう。
だから、天気図をみて、台風という低気圧と高気圧の間には必ず線が混むところがあります。
ここが台風の危険円にあたる、風の強まっている所になります。
下の天気図の場合、台風が2つありますが、たまたま、右上部分の等圧線混んでいますね。
こういうところでは、台風が離れている割に風を強く感じる所になります。
逆に、2つの台風のちょうど真ん中の地点は、等圧線がありません。
台風が2つあって風が強いかと思うかもしれませんが、この等圧線の無い所は風が弱いところです。
「右の台風の北風」と「左の台風の南風」 がぶつかっていると説明してもいいでしょう。
2つの台風が近いのに風が弱くなるのは面白いですよね?
台風の右側の風は強いことは台風進路予想にも現れている
台風進路予想、見たことありますよね?
台風進路予想をよくみると、強風域が台風の東と西で大きさが違う場合があります。
台風が発生して、南の海上でゆっくりしている場合は、台風の東と西で強風域の大きさは同じです。
ですが、北上してくるにしたがって、東と西で強風域の大きさが変わります。
理由は分かりますよね。
先ほど説明したように、台風の東と西(天気図上では台風の右側と左側)では風の強さが違うんです。
だから、風の強い右側は台風の強風域が大きくなり、風の相対的に弱まる左側は強風域が小さくなります。
ちゃんと考えて作られているんですね。
kaku
台風はどうやって出来るの?
kaku
何度見てもきれいな絵ですよね。
海の上にできる台風、台風は、普通の低気圧とは違うって知ってますか?
強さが強いとかそれだけではないんです。
しくみ自体が違うんです。
台風の出来方
台風って、じつは、最初は偶然できるんです。
そう、始まりは偶然です。
夏の太平洋は、どこも海水温が高く、たくさんの海水が水蒸気となって蒸発してくもを作っています。
理由は様々ですが、偶然、周りより雲ができて気圧が下がったところができます。
気圧が下がると、周りの空気がグルグルと回転しながら中心に集まってきます。
お風呂の水を抜くときに最後にできるグルグルの渦、ああいうイメージです(理屈は微妙にちがいますがイメージです)。
集まった風は湿っていて、沢山の水蒸気をもっていて、中心付近で上昇し、新たな雲を作ります。
雲ができればまた、熱が発生し気圧が下がります。
え!?雲が出来て熱が発生する理由ですか?
それは、汗をかいて(水→水蒸気になって)熱が奪われるのと逆といえば伝わりますか?。
水→水蒸気 の変化では熱が奪われますが、逆に 水蒸気→水 になると熱が発生するんです。
雲ができるときは必ず上空ではちょっとした熱が発生しています。
熱が発生すると空気の密度が下がり、低気圧になります。
低気圧になれば、また、周囲から風があつまり雲ができて・・・というサイクルがおきます。
低気圧→湿った空気が集まる→雲ができる→気圧が下がる→また湿った空気が集まる→また雲ができる→また気圧が下がる→またまた湿った空気が集まる→延々と続く
こういうサイクルをたどって台風はどんどん成長します。
ここで、ポイントになるのは湿った空気が集まるということです。
湿った空気は曇り熱を発生させます。
この、湿った空気がないと熱は発生しないため、気圧は下がりません。
言い換えれば、湿った空気は台風発達のためのエネルギーなんです。
夏は、気温が上がって空気が湿りますよね?
海の上もでも同じです。
いや、もっとひどいですね。
もぉ、真夏の南の海は湿っているなんでもんじゃありません。
水蒸気たっぷりです。
台風が発達するのは、27℃以上の非常に暖かく湿った海の上です。
27℃ぐらいあれば、台風が成長するための水蒸気がたっぷりということですね。
逆に、日本付近にくると台風の成長が止まるのは、日本付近の海水温がそこまで高くないからです。
台風の燃料は、湿った空気なので、25℃以下となった海域では湿りが足りずに台風が成長出来ないんです。
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