雷で停電する理由は?一瞬で回復する場合と時間がかかる場合の違い

2021年9月3日

落雷で停電が発生する

雷が落ちて停電、経験ありますか?

雷は電気の塊です。

電気の塊である、雷が落ちて停電ってなんだか変な気もしますが、よくあることです。

では、理由は何でしょう?なぜ、雷で停電するか理由をお伝えします。

雷による瞬停の原因

雷が落ちて停電する理由は、送電に関する機器やケーブルの故障や特殊な動作がほとんどのです。

当然のことですが、東京電力のQ&A中部電力の停電のしくみをはじめ大手の電力会社のHPに書かれていことです。

なぜ、落雷で停電が一瞬だけ発生する?対策は?

一瞬の停電なので「瞬停」と呼ばれるものです。

雷による瞬停は、下のような順序で発生し復旧します。

 

  1. 電線や鉄塔に落雷する(高く尖った形状なので被雷しやすい)。
  2. 雷はそのまま、地面に流れる。
  3. 雷と一緒に送電していた電気も流れる。(瞬停開始!
  4. 本来の送電線では、電圧が低下する(瞬間電圧低下)。
  5. 保護リレーで故障を検出
  6. 遮断器を開いて故障を切り離す。
  7. 雷の影響がなくなり本来の送電線に電気が流れ始める(瞬停終了!この間、0.07秒~2秒程度)

0.07秒とかなり細かい数字を出しましたが、北陸電力停電情報に掲載されている数字です。

最近では、雷による瞬停は減っていますが、発生はまだまだあり、パソコンなどに被害が出ていると予想されます。

東京電力の送電地域であれば、過去の東電の瞬間電圧低下が検索できます。

なぜ、瞬間電圧低下の情報がHPに掲載されているか。

それは問い合わせが多いからです。

では、なぜ、問い合わせが多いか。

それは、瞬停による故障や誤動作が発生することがあるからです。

一般家電の場合はそうそう故障しませんが、精密機器やディスプレイの故障はよく聞きます。

 

瞬停によって故障した家電、電力会社は責任を取ってくれる訳ではありません。

ただ、多くの場合火災保険によって保証されます。

そのため、東京電力のHPには瞬停(瞬間電圧低下)の情報が掲載されている訳です。

他の電力会社にも広がっていくかもしれないですね。

他にも、「家庭の電気がチラチラとする」「パソコンの強制終了」「マグネットスイッチを使用している設備の停止」「水道の停止(サイリスタ保護によるモーター停止)」「リレーによる機器の停止」などがあります。

 

よくみる対策としてはUPSが手軽で一般的です。

会社では重要なパソコンなどの機器にはUPS経由で電源を取っているのを見たことありませんか?



瞬停だけでなく、雷サージと呼ばれる、雷の電気がコンセント経由で外から流れてくることも防いでくれます。

高価な機器、大切な機器であれば導入しても良いと思います。

 

 

落雷で停電が長引く場合の時間はと対策は?

落雷による停電の場合は、瞬停がほとんどです。

ですが、まれに送電設備の故障によりやや長い時間発生する停電があります。

雷の多い時期に見てみると、30分近く復旧まで時間がかかっているものがあります。

ここでは、関西電力停電情報から過去の情報を掲載しています。

雷による停電の例

5件あれば、4件は1分や2分で復旧していますが、残りの1件は30分程度時間がかかっています。

30分の停電はかなり長く感じるでしょうが、雷が原因なら多くの場合、長くて30分程度で復旧しています。

過去の実例ですので信頼できる情報ですね。

 

1分や2分だと、UPSではカバーギリギリ・・・出来ないぐらいですね。

ましてや30分だとUPSでは難しいです。

対策としては、家庭用の蓄電池が考えられます。

家庭用の蓄電池は、太陽光の売電期間が終了した家庭では導入されはじめていますね。

雷による停電だけでなく、災害等の停電対策として注目されています。

災害では数時間停電することもありますが、家庭用蓄電池があればその期間でも電気を使うことができます。

補助金も出る自治体が増えています。

検討してみてはいかがでしょうか。

 

雷で停電が発生する時の対策はコンセントを抜く!

「電源OFFにしていれば大丈夫じゃない?」

と思っている人もいるかもしれないですね。

でも、雷対策としては不十分です。

雷による停電対策なら、電源OFFにしておけば大丈夫です。

でも、雷によって停電がおきるぐらいのときは、いつ近くに雷がおちてもおかしくありません。

雷が近くに落ちれば、雷サージと呼ばれる雷の電気がコンセントを伝って家電に流れ込みます。

パソコンなどの精密機器や買い替えが難しい危機は、コンセントを抜いたほうが安心です。

また、万が一、雷で家電が故障した場合は、火災保険が適応されるケースが多くなっています。

雷なのに火災保険!?と思われるかもしれませんが、最近の火災保険はほぼ家財全般の保証をしてくれる契約となります。

保険会社への請求資料に落雷の証明を添えて提出すればOKです。

落雷の証明についても記事にまとめていますので参考にしてください。

 

実際に停電したときは、停電した時にすることの時系列でまとめていますよ!